原付ツーリングの経済性

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8月連休にクルマで函館まで行こうと計画を立ててみたら、原付ツーリングとの費用の違いに愕然とした件について。

1.ガソリン代

レギュラーガソリン価格を 160円/Lとする。
自宅から青森フェリーターミナルまでは片道 710kmである。 往復で 1,420kmだ。
クルマ(HEVのコンパクトカー)の燃費を22km/Lとした場合、必要なガソリン量は 64.5L、金額は 10,320円となる。
Wave125iの燃費が50km/Lの場合、必要なガソリン量は 28.4L、金額は 4,544円となる。
差額は 5,776円となる。

2.高速代

狭山日高I.Cから青森I.Cまでの高速道路料金は、片道 14,690円。 往復で 29,380円となる。
原付はそもそも高速道に乗れないので、料金は掛からない。
差額は 29,380円となる。

3.フェリー代

津軽海峡フェリーでは8月連休期間は C期間となる。
青森-函館航路の場合、乗用車(6m未満、ドライバー1名含む)の航送料金は 26,100円となる。 往復で買えば復路は1割引になるので 23,490円。 合計で 49,590円となる。
原付の場合は、大人 2等で片道 3,650円、復路 3,285円で合計 6,935円。 これに特殊手荷物運賃(125cc以下)2,600円✕2が加わって、合計 12,135円となる。 差額は 37,455円。
ちなみに2名で行った場合、乗用車も原付もどちらの場合にも大人1名分の料金(往復 6,935円)が加わるので、差額としては変化はない。

4.宿泊代

どちらの場合も青森で1泊するものとする。 安めのビジホに泊まったとして一泊 4,000円とする。
高速道路が使えるメリットとして、原付だと 2日掛かる距離を 1日で移動できることも考慮に入れる必要がある。
原付でも埼玉から盛岡までは1日で行けるが、青森まではかなり困難だ。
高速道でも青森まで行くのは大変だが、1日で一気に行くのは不可能ではない(運転手を交代可能ならば特に)。

そもそも連休日数が限られている場合、往復で2日余分に掛かるというのは致命的だ。
現地での行動時間を同等に確保しようとすれば、日程が2日間伸びることになるので、宿泊代が余分に掛かる。
よってクルマは往復 2泊で 8,000円。 原付は往復 4泊で 16,000円。 往復の差額で △8,000円を計上する。

以上をトータルすると、
クルマ:97,290円
原付: 32,679円

となり、クルマの方が 64,611円も余分に掛かることになる。
差額ももちろんだが、クルマで行った場合の絶対額としての費用には震えが走る。

函館で遊ぶだけなら、クルマは青森港に置いて人だけでフェリーに乗れば 49,590円→ 6,935円となり 42,655円もコストダウンできる。
函館はコンパクトな街なので、路面電車やタクシーを使えば移動は事足りるはずだ。
クルマの費用は 54,635円になるので、原付との差額は一気に 21,956円にまで縮小する。


以上は自走で青森まで行った場合の試算だが、大洗から苫小牧までのフェリーに乗った場合はどうだろうか?

自宅から大洗のフェリーターミナルまでは片道150km。 高速道を使えば多少は早いが下道でも十分に行ける。
ガソリン代はクルマが往復 2,182円、原付が 960円で、差額は 1,222円しかない。 宿泊日数による差もない。
フェリー料金はD期間の 5m未満で片道 42,300円、復路 5%割引で往復 84,240円。
原付(50cc以上、125cc以下)の場合は片道 ツーリスト 17,200円(復路5%引)と特殊手荷物料金 13,700円(往復割引なし)で、往復で 60,940円。
トータルの費用は
クルマ:86,422円
原付: 61,900円

で差額は 24,522円となる。
クルマの費用が安くなったというよりは原付が大幅に上がっている。 この原付の費用を見てしまうと『頑張って青森まで走ろう』と思ってしまうのも無理もない。


仙台-苫小牧航路だとどうか?
埼玉から仙台港までは下道で片道 363km。 往復のガソリン代はクルマが 5,280円、原付が 2,323円。
フェリー料金はD期間の 5m未満で片道 35,300円、復路 10%割引で往復 67,070円。
原付(50cc以上、125cc以下)の場合は片道 C寝台 10,700円と特殊手荷物料金 9,700円(復路10%引)で、往復で 38,760円。
トータルの費用は
クルマ:72,350円
原付: 41,083円

で差額は 31,267円となる。
そんなことよりも、原付の場合は「青森まで自走して函館に渡る」と「フェリーでゆっくり寝て苫小牧に上陸する」で、往復で 1万円も違わないことになる。

函館上陸と苫小牧上陸とでは1日分(往復2日分)に相当するので、同列には比較できない。
クルマの場合は自走するよりフェリーで行った方がリーズナブルに見えるが、同行者が増えると費用が一気に増える(ホテル代よりフェリー代の方が高いので)のは注意が必要だ。

逆に原付は時間をかけてでも自走して行った方が経済的だが、道央まで行くつもりなら青森まで自走するより仙台-苫小牧のフェリーを使った方がいい。
とはいえ「長距離を自走して津軽海峡を渡る」というのは一種のロマンなので、単純に費用の高低だけでは語れない。 バイクの場合、東北を走ること自体が大いなる愉しみなので。


と、ここまで書いておいてアレだが、埼玉から函館まで行くならJR(新幹線)だと片道 23,420円、往復 44,340円で行ける。 しかも所要時間 5時間20分と半日だ。
同行者がいると単純に人数分増えてしまうが、一人ならかなり良い選択肢だと思う。 二人の場合でも肉体的な負担の少なさや、函館2泊3日でも十分に遊べる時間を確保できるなど検討に値する移動手段だと思う。

夜行バスは普段は安い(青森まで片道5千円くらい)が、ハイシーズンは 13,500円まで上がる。 さらにフェリーで函館に渡ると片道2万円くらいになるので新幹線と同じになってしまう。