Redditに書かれていた Unicornのインプレの中に、「4thと5thでギヤ抜けする」という報告が多くありました。
正直「そんなに言うほどかなぁ?」と疑問に思っていたのですが、翌日の出勤時にそのギヤ抜けに遭遇しました。
「ああ、これが」と思って丁寧にシフトするとまたギヤ抜け。 結局、1時間の通勤時間の中で 10回くらい、ほとんどの場合 3rd→4thの間で発生しました。
「ラフな操作が悪かったのか?」としっかりクラッチを切ってシフトアップしても発生するので、最後の方は少しイップス気味になってしまいました。
いままで気が付かなかったものが、意識した途端に頻発したこのギヤ抜け事象。
これが機械的精度などに起因するものなら、さすがにメーカーによって設計変更などの対策が取られているはずです(JA07 スーパーカブのように)。
でも 20Mから 25Mの間に変速ギヤの設変は一切ありません。
Unicornはインドで数十万台も販売されています。 同じ仕様で安定的に部品が大量生産すれば、不良品率も低いはず。
加工精度や表面粗度のばらつき、ギヤの組み合わせなど個体差の可能性もなくはないですが、前日まで2週間乗っていて発生した記憶がないのに、なぜ急に頻発するようになったのでしょうか?
熟考した結論は、「原因はバイクではなくライダーにある」となりました。
対策は「ギヤ抜けは忘れて気にしない」です。
帰り道、ギヤ抜けのことを頭から追い出して普通に乗ったら、ギヤ抜けは一切発生しませんでした。
これだけだと精神論に聞こえそうですが、「クラッチを擦り気味にシフトアップする」とよいと思います。
ポイントは
1.変速時はスロットルを少し戻す
2.クラッチを完全に切る前にシフトアップ
3.シフトペダルは最後まで掻き上げる
の 3点です。
1と3についてはシフト操作の基本ですが、2は言い方を変えると「クラッチレバーを完全に引ききってからシフトアップするな」という意味です。
ギヤ抜けが気になってしまうと、「ラフに操作したから悪いんだ。もっと丁寧にやらなければ」と思ってしまいがちです。
そこでクラッチレバーを完全に握り込んでからシフトアップすると、逆にギヤ抜けの発生確率が上がるように感じました。
ギヤ抜けが多発することでますます意識してしまい、ついにはイップスになってしまうのではないかと思います。
むしろレバーを握ると同時にペダルを掻き上げるくらいの方がギヤ抜けは起こりにくいようです。
本来タイミングよくスロットルを抜いてやれば、クラッチを切らなくてもシフト操作は可能です。
半クラというか微かにクラッチがつながっていると、ギヤのバックラッシュがない状態になるので、「ちゃんと変速した」という感触がシフトペダルから伝わってきます。
本来はライダーがどのように操作をしても確実にシフトアップできるようにシフトドラムストッパー(手裏剣、#6)の形状やスプリング(#8)の強さを設定するべきですが、現実には万人を満足させる仕様にするのは難しいです。
スプリングを強くし過ぎると、シフトペダルが重くなって最後まで掻き上げることが出来なくなるかもしれないですし。
インドの交通環境、インド人ライダーの乗り方の最大公約数として、現在の仕様になっているのでしょう。