『組織の中で成功する人の考え方』 アラン・ダウンズ(著)

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組織の中で成功する人の考え方
アラン ダウンズ
きこ書房
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おすすめ度の平均: 2.0
1 具体性に欠ける単なる精神論
3 成功するためには自分の才能に集中しよう!

昨夜、ブックオフに行ったついでに買ってきた本です。

ご多分にもれず、自分も自己啓発本の類を何冊も買ってきました。 その中には、「なるほど!」と思わせられる本もありましたが、大半は期待外れに終わるものが多かったです。

ブックオフの数ある本の中でこれを手にとったのは、帯に「時間とエネルギーは、長所のためだけに使おう!」と書いてあったからです。 そしてそれは、自分が22年働いてきて確信を持ったことでもあります。


この本の主張はとてもシンプルで、「誰もが持つ自分の才能を見つけて、それを信じて、才能に合った仕事をしなさい」というだけです。

「才能」って何?と思うのですが、具体的な説明はありません。 ただ「アドバンテージ(学歴、資格、頭のよさ、人を惹きつける性格)」や「スキル(技術、実務経験)」は「才能」と区別されるべきものだと言っています。
普通は頭のよさや性格も「才能」ではないかと思いますが、著者の考える「才能」は違うようです。


そして自分の「才能」を見つける指針は、「熱望、満足感、速修」の3つだと言います。 確かに「一を聞けば、十を知る」といいますが、自分に向いている作業というのは覚えるのが早いです。

ただ、興味があってやってて楽しいことは、だいたい覚えるのも早いんですよね。
自分は長いことコンピューターのプログラミングを覚えたくて、いろんな本を買いました(50冊じゃきかない)。 BASICやC言語、Javaのみならず、AWKやSEDなどのスクリプト言語にも挑戦しましたが、全くダメでしたね。 箸にも棒にもかからないとはこのことです。

ところが仕事でCADの効率を上げるためにマクロ(VBScript)を書く必要に迫られると、あっさり書けるようになりました。 VBAも出来るようになり、Excelのマクロも書いています。
まさしく必要は成功の母なんですが、向いてないと思っていたプログラミングが、いまや結構好きになっていたりするので、覚えが早いというだけで判断するのは早計だと思います。


この本で感銘を受けたのは「才能を発揮できるように、仕事の形態を自分に合わせなさい」というところですね。
これは自分もやってきたことで、自分が面白いと思うことを提案して、それを仕事にしてしまう。 あるいはつまらなくて興味の持てない仕事を、自分の意思入れをして面白くなるように変えていくことです。 「やらされ感」もなくなり、満足感が大きくなります。

いまやっているCADの講師の仕事などはまさにそれです。 最初は気乗りがしませんでしたが、自分の判断でいろいろ出来る(ただし予算はまったくない)ので、今では楽しんでやっています。
で、そうやって楽しく仕事をしていると、また次の仕事の声を掛けてくれる人がいるのです。


「下積み仕事は、才能と情熱という二つの基盤を発見するための大切な期間」というのも、まったくその通りだと思います。

「伸びようとしなければ才能はさびつく」というのは少々耳の痛い言葉です。 自分はそこそこの成功で満足する方なので。 まあ、そこは情熱の量に応じた働き方をするべきということで...。

「不安感にとらわれるな。行動こそが才能に自信を持つ唯一の方法」という言葉もあります。 行動する勇気を持つのは確かに重要なことです。


ところでこの本は何故タイトルにわざわざ「組織の中で」なんて付けたんでしょうね? 本書の内容は、(会社)組織の中に限定されるものではなく、あらゆる職業の人に適用可能なものです。 タイトルで損をしているような気がしますね。