ホンダのバッテリー調達戦略に変化?

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【井元康一郎のビフォーアフター】GSユアサから東芝へ…ホンダ電池戦略の心変わり | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)

ホンダは、東芝のチタン酸リチウムイオン電池を選択した。チタン酸リチウムは特殊な技術ではなく、バッテリーメーカー各社が研究を手がけているものだが、市販品に積極採用しているのは、大手メーカーでは東芝のみ。負極の主流である炭素系材料と比較すると、チタンを使うため価格が高く、エネルギー密度は小さいうえ、同じ正極材料と組み合わせた場合、電圧も1ボルト以上低くなってしまう。
 
こう書くと、まるでいいところがないように見えてしまうが、優れている部分もある。EV向けバッテリーで重要視される要素である安全性と耐久性の高さだ。バッテリー内部で異常が起こると爆発の危険性があるとされるリチウムイオン電池だが、チタン酸リチウムはそのリスクが非常に小さい。また、素材がスピネル構造という格子状の構造を持っているため、充放電を繰り返しても劣化しにくい。(中略)
 
このように、ホンダがEV-neoに東芝製のチタン酸リチウムイオン電池を搭組み合わせたのは、ビジネスバイクという性格に合わせた妥当な選択であることは確かだ。が、この選択の理由はそれだけではない。ホンダのバッテリー調達の方針が変化したことの表れと受け取ることもできる。

積載スペースが小さいバイク用の場合、エネルギー密度が高いバッテリーを使いたいところですけどね。
雨にさらされ(時には水没し)、クルマ用と違って頑丈なケースで保護するにも限界がありますし、安全性に最重点を置いたのかもしれません。 昔、ヤマハが発売した電動バイクは、バッテリーの問題で販売中止になってしまいましたしね。

とはいえ、それだけで調達方針変更ととるのは短絡的だと思いますが。

ホンダは福井威夫前社長時代に、旧ユアサとF1用バッテリーなどで深く協業した経験などから、日本電池とユアサの合併会社であるGSユアサと提携した。当時、ホンダはトヨタ、日産に比べてバッテリーに関する知見、技術が立ち遅れていることに危機感を持っていた。08年にはトヨタと協業関係にあったパナソニックがリチウムイオン電池最大手の三洋電機の買収を決定するなど、バッテリー業界でも大きな合従連衡の動きが相次いだのを見て、ホンダはバッテリー技術を他社に握られたくないという心理に駆られたのも、GSユアサとの提携を急いだ理由でもあった。
 
が、伊東氏が社長に就任すると、その空気はかなり変わったという。関係者の一人は、「福井はあくまでGSユアサをベストパートナーと考えていましたが、伊東は就任当初から、相手はGSユアサに限る必要はないと言っていました」と明かす。
 
ホンダは『インサイト』の開発が佳境にあった07 - 08年頃、東芝や日立など、複数のバッテリーメーカーと協業を模索していたが、「ホンダと開発のスピード感を共有できるのはGSユアサだった」(福井社長)と、ホンダが出したオーダーにすぐに応えてくれるかどうかという基準で判断し、その結果提携に至らなかったという経緯がある。が、伊東政権の下でその東芝製のバッテリーがあらためて採用になったことで、さらに他のバッテリーメーカーとの協業の可能性も出てきたと考えることもできる。

ホンダがGSユアサに対して不満を持っているのは、そういう声が漏れてきているので、その通りなのでしょう。
ただブルーエナジーのバッテリーはハイブリッド車用に特化しているということなので、電動バイクには使えなくて当たり前です。