台風6号は、九州の南に位置していた頃から、関東地方でも大雨を降らせていました。
このまま近づいてきたらどうなることかと思いましたが、東に進むにつれ日本列島から離れていきました。 おかげで今朝はTシャツでは寒いくらいの気温でした。
雨も上がったし気温も低い、となればアレをやらねばならないでしょう。
そう、Wave110i のボアアップです。 忘れてた訳ではないんですが、暑い中で作業する気になれなかったんです(ツーリングに忙しかったのもありますが)。
ボアアップキットにはヘッド/シリンダーガスケットが付属していますが、念の為に社外品のガスケットキットを用意しました。
ヤフオクでカブ110用として売られているものです。 出番がないことを願いたいですね。
さて、さっそく外装から外していきましょう。
ジョルカブもけして整備性のいい方ではありませんが、Waveはもっと大変です。 いったい何本ねじを外したか。
古いタイプの横型エンジンと違って、シリンダーやヘッドにセンサーなどいろいろくっついています。
こんな水冷エンジンみたいにツルンとしたシリンダーヘッドで、冷却とか大丈夫なんでしょうかね?
カムカバーを開けたところ。 タペット調整などは、こちらの方がやり易いかな?
スタッドのナットを緩めました。 デコンプ用の小さいスプリングが飛び出してくるので、注意が必要です。
ところで、カムチェーンの脇にM6のフランジボルトがあるのが見えますか? このボルト2本を外さないと、ヘッドが取れません。 以前の横型だとヘッドの外側にボルトが1本ありましたが、あれに相当するボルトです。 シリンダーを貫通して、クランクケースのタップ穴に届いています。
ロット番号の鋳込み位置まで同じなので、やはりシリンダは純正品をボーリングしたものではないかと思います。
まだ3,000kmも走ってないのに、かなりカーボンが体積していますね。 乗り方のせい?
肉抜きもされていますが、あまり高品質を感じさせる作りではないですね。
裏側には、ボアアップ用ピストンと同じく「HFA」と書かれていました。 HFAとは本田金属のタイ生産子会社なんですね。
ヘッドの方も真っ黒け。 濡れてはいませんが。
インテークポートの形状は悪くないです。 さすがに支那ヘッドとは違いますね。
スロットルボディと接続するゴム製のマニホールドの内径が21mm程度しかないので、むやみに拡大しても意味が無いです。
カタチを整える程度にサラっておきました。
エキゾーストポートも形状は問題なし。 ただ、ガスケット内径から判断すると、もう少し拡大できそうです。
今回はバルブも外さずの作業なので、無理に拡大はしませんでした。
ピストンを組み込みます。 腰上だけなら車載状態で作業ができるのがいいですね。 ジョルカブだとこうはいきません。
シリンダは何事もなくクランクケースに挿入できました。
エンジンの組み立て完了。 外装を付けておしまいです。 このあと、ジョルカブと一緒にオイル交換(G1)しました。
給油がてら軽く10kmくらい走りましたが、それほど明確に「力強くなった!」という実感はありません。 ECUが慣れてくれば変わるのかな? ただ、ハンドルに感じる振動は増えたように思います。
エアクリーナーやマフラーなどもいじらないと、パワーアップは実感し辛いのかもしれません。
圧縮比もそれほど高くはないようで、セルは苦も無く回ります(デコンプのおかげもありますが)。 上死点でもピストントップがシリンダ上面より1mm近く下がっているように見えました。
説明書にはボアアップ後の圧縮比について記載はありません。 ノザワホンダのblogによると「11.0:1 でノーマルと同じ」ということです。
ノーマルの圧縮比は正しくは 9.0:1 なので、ボアアップしても 9.0:1 で変わらずなのかもしれません。 実感としてはこちらが正解のような気がします。 どうやら本当にピストンハイトが低いようですし。
ちなみにノーマルのピストンハイトをノギスで測ったら19.5mmありました。
圧縮比 13.2:1 という武川のカブ110用ボアアップピストンはちょっとやり過ぎだと思いますが、ピストンヘッドをちょっと削って 10.0~11.0:1 くらいにするのがちょうどいいのではないかと思います。