木曜日にLS-K711が届きましたので、予告通りD-M37とのシュートアウトを行いました。
聴いてみる前に、スペックを確認しましょう。 まずはスリーサイズから。
DENON D-M37 145W×233H×234Dmm、3.8kg
ケンウッド LS-K711 158W×270H×264Dmm、4.3kg
LS-K711の方がひと回り大きく、DALI ZENSOR1に近いサイズ・重量です。 でも、持った感じではD-M37の方がずっしりしています。 LS-K711はバッフル面はともかく、他の面は板が薄そうな(ちょっと安っぽい)感じです。
スピーカーユニットはというと、
DENON D-M37 ウーハー120mmコーン、ツイーター25mmドーム、バスレフ
ケンウッド LS-K711 ウーハー120mmコーン、ツイーター25mmドーム、バスレフ
と同じサイズ。 出力音圧レベルも、
DENON D-M37 86dB/1W・1m
ケンウッド LS-K711 85dB/1W・1m
とこれまた同程度の低能率です。
購入したLS-K711は、サラウンドのリアスピーカーに使われていたものらしく、ある程度はエージングがされていると思います。
試聴はノートPCにUSB DACアンプを接続してやろうかとも思ったのですが、我が家での用途はあくまでテレビ用なので、その条件で比較してみます。
まずLS-K711から。 一聴して音離れがよくて音場感もあります。 ストリングス(弦)がとてもきれいですね。
低音は量は出ているんですが、全体的に軽い感じでパンチが物足りないですね。 ボーカルが相対的に前に出てこないようにも思います。
でも総じて音楽を楽しく聴かせてくれるスピーカーだと思います。 新品でも1.3万円、中古ならその半額で買えるスピーカーとは思えません。
若くてお金がないなかでオーディオに熱中していた頃に、こんなスピーカーに出会いたかったです。
D-M37に戻して、同じソースで試聴してみます。 薄々気付いてましたが、音に広がりが少ないですね。 ちょっと団子になって聴こえます。
「中実」(中がしっかり詰まっている)という感じで、ボーカルや音声に力がある点はいいと思います。
音像がスピーカーの間から出ないというのは、「テレビを観る」ことに集中するという点ではむしろ良いのかもしれません。
きれいに聴かせようという化粧が少ないところも、音楽以外のソースもあるテレビ向きという気がします。
LS-K711は箱鳴りも含めて上手に鳴らしている感じで、海外の安くて音の良いスピーカーに近い感じがします。 D-M37はユニットやバスレフポート以外の不要振動を抑えこむという、昔の日本的な設計思想のスピーカーなのかもしれません。
という訳で、音楽的には私もLS-K711に軍配を上げたいと思います。
でもテレビ用スピーカーとしては、D-M37の方が好ましく感じるので、このまま使うつもりです。
という訳で、「勝負に勝って試合に負けた」LS-K711には、寝室で活躍して頂きたいと思います。
ソニーのミニコンポのスピーカーと比較すると、高さはだいぶ違いますが奥行きはそれほど変わりません。
元のスピーカーのコード(専用コネクタ付)をちょん切って接続したのですが、ちょっと長さが足りなくて間隔をあまり広げられません。 もっとも前のスピーカーも本体の横にぴったり並べていたのですが。
FMを鳴らしてみると特に音質が良くなったという感じもしませんが、CDを掛けてみたらなかなかいい音で聴けました。 音質のいいFMチューナーが欲しいですね。
翌朝、タイマーで鳴ったFMで目が覚めましたが、「ああ、確かによく聴こえるわ」と寝ぼけ眼で思いました。
嫁はLS-K711をテレビの繋いだときも気づいてなかったので、寝室のスピーカーが替わっても分かってないかもしれません。
# 「寝室のスピーカーは気づいてたよ。色が変わってるなーって」と本人から異議申立てがありました。
禄太郎
テレビ用として最適なスピーカーというのは案外難しいでしょうね。我が家の歴代システムで映画とか音楽DVDを見る際に、再生開始前に地上波が映るわけですが、人が普通にしゃべる音声はいつも不明瞭でした。センターSPがあってもそうなっちゃうんです。ただ、5.1ch放送の野球中継の場合は、実況ははっきりするんです。ディスクリートなのかとか、アンプの性質なんかも影響するんでしょうね。
そう考えるとバブル期のブラウン管テレビで音にこだわったものがいくつも出ていましたが、ニュースから音楽番組まで、それなりに鳴らしていたのは、実は大変なことだったのかもしれませんね。
ダブリン市民から禄太郎への返信
映画とか音楽番組とか用のスピーカーと、普段のテレビ番組用のテレビ内蔵スピーカーで分ければいいんでしょうが、ウチのテレビの音声はバラエティ番組さえも聞くに堪えない代物なので。
D-M37の名誉のために申せば、嫁が観ているドラマ「カラマーゾフの兄弟」の劇中音楽やSEは凄く迫真的に鳴らしてくれます。 隣の部屋でネットしてると、カラスの鳴き声にビクってなります。