ということで総括です。

最初に総評を述べると、「天気は最悪だったが、限られた条件の中で多くのイベントを実現することができた。 結果的に3泊4日で函館まで自走したことになってしまったが、満足度が高いツーリングであった」といえるだろう。
4日間の総走行距離は、1,778.1km(航走距離 230km含まず)だった。 南紀ツーリング(1,670km)よりも若干長いことになる。

長距離・長時間走行を強いられる行程だったが、自宅から約11時間で盛岡到着というのは想定以上のペースだった。 あのまま青森港に直行したならば、13時には到着していたはずだ。 ギリギリで14:20発の13便に乗って、18時には函館に着いていたかもしれない。
北へ向かって1日でどれだけ走れるか」のシュミレーションを越えるペースを実現できたのは自分でも驚きだった。

だが今回は(前日まで休養十分だった、道路が比較的空いていたなど)例外的と考えるべきだろう。 気力・体力ともに年齢的にも下り坂なのだから、また同じことができるとは限らない。 過信は禁物である。
それでも各々の場面で、概ね正しい判断を下すことができたと思う。


以下は個別の事柄について。 今回は良かった点から。

◎ 摩周丸の見学ができた

羊蹄丸(解体済み)、八甲田丸に続いて3隻目の青函連絡船の見学が出来た。

◎ あきやま商店のおじさんに会えた

青森に行ったら必ず立ち寄っている「道の駅 奥入瀬」だが、このおじさんに会うために立ち寄っているようなものだ。
毎日青森駅前から通ってくるのは大変だと思う。 無理せず身体に気をつけて頑張ってほしい。

◎ 全てのキャンプ場がとても良かった

酸ヶ湯キャンプ場は当然であるが、戸井ウォーターパーク、休暇村陸中宮古姉ヶ崎キャンプ場もとても良いキャンプ場だった。 グラウンド状態や施設も充実しているが、3箇所ともお風呂が近くにあるというのがやはり最高だ。

○ スロットルアシストは有用だった

市街地や峠道など、スロットルOffでフルブレーキが必要な場面では邪魔なので使わなかったが、巡航時は使った方が格段にラクなのを実感。 右手の手のひらや腱が痛くなるようなことはなかった。
巡航ペースを一定に保ちやすいという効果もある。

○ タフザック60のメタボ対策は一応成功

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シートスペースを圧迫するようなことはなかったが、一方で背が高くなりすぎてゴムバンドが角に当たることになってしまった。

○ 急造のスマホの雨対策が有効だった

実は出発直前になって、スマホの防水ケースがどこかへいってしまって、見つけられなかった。

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仕方がないので ZipLockでカバーを作成した。 見た目は悪いが、これが非常に有効に機能した。


○ ゴム長靴は完璧だった

昨年のGWに志布志のコメリで買ったゴム長靴が、今回も完璧な仕事をしてくれた。
スニーカーも持っていったが履いたのは酸ヶ湯キャンプ場で温泉に行くときのみ。 他の全行程でゴム長靴を履いていた。
おそらく靴の中まで濡れてしまったら、途中で戦意を喪失してしまっただろう。

○ 函館グルメの一部をクリア

20時間あまりの滞在時間(しかも早朝出発)ということで、食事の機会は17日の昼と夜に限られると思われた。
結果的にラッキーピエロ、はこだて和牛、海鮮丼の3つを食べることができた。
回転寿司と「ゆできび」が食べられなかったのは残念だが、1泊ではこれが限界だろうと思う。


次に残念だったこと

△ 恵山でキャンプができなかった

恵山海浜公園は、海辺にある吹きさらしのキャンプ場なので、「キャンプ不可」という判断は妥当だったと思う。
天気が良ければ最高のロケーションなので、つくづく悪天候が恨めしい。
水無海浜温泉については、元から入浴は不可能だろうと思っていたので問題なし。

△ 魹ヶ埼灯台を見に行けなかった

「行けなかった」というより「行かなかった」のだが、実は最終日の天気はそれほど悪くなく、行く気があれば問題なく到達可能だった。 夜の間に直帰で気持ちが固まっていたので、ブレずに今回は見送りとなった。

埼玉から魹ヶ埼は遠いので、「こんなチャンスを逃すのはもったいない」と思わなくもなかったが、一方でツーリングのついでに立ち寄るのではなく、魹ヶ埼を目的にツーリングを1本組み立てるべきではないかとも思った次第。
三陸に残されたもう一つの灯台である金華山灯台と同じく、いずれは必ず行くつもりだ。

△ 2日目、3日目の計画ルートにムリがあった

摩周丸見学を入れたこともあるが、2日目に予定していた亀田半島一周の計画はムリがあった。 北海道が大きすぎるのでスケール感が狂ってしまうが、亀田半島の大きさは津軽半島とほぼ同じである。 函館へのフェリーの中でルートを考え直したのは良い判断だった。

3日目の宿泊先は宮古では遠すぎた。 野田の玉川野営場黒崎オートキャンプ場にするべきだった。 もし宮古のキャンプ場を予約してなかったら、恐らく黒崎でキャンプをしただろうと思う。
でも宮古姉ヶ崎キャンプ場でキャンプしてみたかったんだよ。

△ 最終日のルートの確認不足

GoogleMapsのナビが R45三陸道の無料区間を推してくるのは分かっていること。 2度ほど騙されてミスコースをしたが、それはまだいい。 宮古から仙台(利府)に抜けるルートについて、ナビ任せにしないでもう少し考えるべきだった。

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特に宮城県登米市でR346から県道202号線に分岐をしたところ。 あのままR346を走っていけば石巻、松島を経由せずに利府に出ることができた。

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あるいは宮古から海岸線を出ないで、遠野などを経由して仙台に行くルートも考えられる(所要時間的に早いかは微妙だが)。 次回に宮古を訪問するときの課題としたい。


最後にダメだったところ

✕ USB給電ケーブルのトラブル

まず出発時にGPS(eTrex)の給電ケーブル(miniUSB)が接触不良だった。 これはCRCを吹いて何度か抜き差しすることで復活したが、念のために乾電池は入れて使うことにし、予備のケーブルも持っていった(その場で交換しなかったのは、既に荷物を積んでいたから)。

結局、帰宅するまで給電に支障はなかったが、現行のケーブルはもう2年くらい使っているので、これを機会に新しいケーブルに更新した。

スマホの給電ケーブル(microUSB)は、スマホのバッテリー残量の警告が出るまで給電されていないことに気が付かなかった。 こちらは復活しなかったので、モバイルバッテリーと一緒に持ち歩いている0.9mのケーブルに交換した。 取り回しは変える必要があったが、長さ的にはこれでもスマホまで届いた。
途中で電気屋に寄ってケーブルを購入することも考えたが、結局最後までそのままの状態で使用した。

✕ テントの雨漏れ

昨年春にシームテープを張り替えたテントのフライだが、夏頃にはテープが浮いてしまっていた。
それでも幸いにして酷い雨には遭わずにここまできたのだが、戸井での夜に風雨が強くなってくるとポタポタ水滴が落ちてきた。

帰宅してテントを干したあと、フライの縫い目のところにシームコートを塗ってみた。 効果の確認はできればしばらくしたくない。

✕ コーヒーを買ってなかった?

秩父でキャンプをしたときに、スーパーでコーヒーを買うのを忘れてしまった。
今回は一度もスーパーに寄らなかったので、コーヒーを買うことができなかったのだが、秩父キャンプのあとにコーヒーを3袋荷物に入れていたことに後から気がついた。
もっとも、コーヒーを飲める時間的な余裕があったのは、最終日(宮古)の朝だけではあるのだが。

*****

実は8/13(日)の頃には、すでに東北・函館の天気が悪いのは分かっていて、雨を避けるなら中国地方東部に行った方がよいことは認識していた。

それでも函館行きを強行したのは、フェリーやキャンプ場を予約していたというのもあるが、「青森・岩手には4年間、北海道に至っては6年間行けてないという現状を打破したい」という気持ちが強かったからだ。
むしろ退路を断つために予約していたという方が正しいだろう。

来年の夏にまた北海道に行けるかは分からないが、今回のツーリングで心理的にもブレークスルーが出来たとしたら、雨の4日間にも意味があったといえるだろう。

今回のツーリングでは、6年前の北海道ツーリングでのことを思い出すことが多かった。 そしてそれらがみな「楽しかった思い出」になっていることを実感した(翌年のリベンジツーリングではまだそこまで吹っ切れていなかった)。

6年という歳月によるものか、あのときの記憶や感情が「成仏」したのかもしれない。