松島・蔵王ツーリング(初日)

2012年 7月28日(土)


昨年は輪番休業の影響で取りやめになったのだが、毎年7月は会社の三連休がある。

今年はまだ友人Hとツーリングに行っていないので、二泊三日で行けるところを考えてみた。
東京を中心に半径400km圏内とすると、西は能登半島から紀伊半島東部くらいまで、東北は気仙沼から鳥海山あたり。 ただ鳥海山はニ泊だと余裕がない。

昨年八月も、Hは被災地を見たいと言っていた。 昨年は邪魔になりそうだったので遠慮したが、来年では被災の痕跡が薄くなってしまうかもしれない(それ自体は良いことなのだが)。

被災地に行くなら今年だろう、ということで南三陸方面に決定。
仙台の閖上地区を通って松島で一泊。 翌日に石巻から気仙沼、陸前高田あたりまでの海岸線を走り、栗駒山の真湯温泉で野営して帰るという計画を立てた。 岩手県側で野営するのは、もちろん経県値をアップする為である。


前日は22時に就寝したものの、寝室のエアコンが不調で寝苦しい。 なかなか寝付けなかったが、予定通り3時には起床。
アイスコーヒーでミニチョコ・クロワッサンを流し込む。 ロンドン五輪の開会式が始まる前の、04:12に出発する。

さすがにこの時間帯にはR16も交通量が少ない。 出発は12分遅れたものの、予定より8分早く05:22に春日部から新R4に入る。

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ガソリンは昨日の会社帰りに満タンにしてある。 R4で北上するときに気になるのが給油ポイントだ。 宇都宮から白河までは下り側にセルフが少ない。

06:15 上三川でR352を超えた辺りのセルフで給油する。 スマホを確認すると、友人Hから04:53に「出発しました」とメールが来ていた。

出たのは遅いが、彼の自宅の方が30分くらい近いはずだ。 前か後ろかわからないが、それほど離れていないところを走っているだろう。

06:37 宇都宮の平出工業団地交差点を通過。

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07:01 矢板IC手前のセブンイレブンに立ち寄り、ホットドッグと缶コーヒーで朝食。 15分で出発。

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08:43 矢吹町のセルフで二度目の給油。 ふたたびHにメールして、08:49に出発。

09:05 須賀川の池下交差点での信号待ちで新着メールを確認。 Hからメールが来ていた。

友人H 09:01 RE:矢吹?
須賀川のエネオスにいます。

どうやら自分より先行しているようだ。 矢吹で給油中に抜かれたのかな? エネオスはよくあるので、何処だろうかと気にしつつ走る。

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09:08 信号待ちで停車したときにふと横を見ると、スタンド奥の休憩所入り口にどこかで見たCBX250Sが置いてあった(写真はGoogle ストリートビューより拝借)。
そのとき自分は中央側の車線にいたので、寄ることもできず通り過ぎたが、彼の方がペースが早いのでそのうち追いついてくるだろう。


バイパスで郡山を迂回し福島へ。 ほぼオンタイムで来ているが、このままR4を走っていくと、待ち合わせ場所であるローソン岩沼三軒茶屋店に早く着きすぎてしまう(13時集合予定)。

福島市街のR4は、バイパス化されていないので走りづらい。
10:05 阿武隈川に掛かる弁天橋を渡ってすぐ、県道309号へ逸れる。 川沿いを走り 10:14 R115へ合流する。 このまま東に行けば相馬市に出られる。

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ここまでは雲が多くて比較的ラクだったのだが、10時を過ぎて太陽が顔を出すと猛烈に暑くなってきた。
10:15 ジリジリとした日差しが、Tシャツから出た腕を焼くのに音を上げて、ローソン福島岡部店にピットインする。

からあげクンを食べながら、Hからのメールを確認してみる。

友人H 09:11 警戒区域に
バリケードまで行ってみたい。115号で相馬経由南相馬へ行ってみます。
その後、新地駅へ向かいます。
 
友人H 09:26 115号はやめて
県道39, 12, 268で警戒区域にアプローチしてみます。
 
友人H 09:45 パンク発見
スタンドを出ようとしたところでパンク発見。
トレッドからサイドまで貫通しており、ちょっとやばいです。

なにー!? 慌ててメールを打つ。

自分 10:27 RE:パンク発見
福島からR115にはいったところです。 パンクかい?
チューブレスに換えたんだっけ? 直せそうなかんじ?
スターターは大丈夫?

スターター云々は昨年に引っ掛けたジョークである。 パンク修理をしているのか、返事は来ない。

調べてみると、須賀川駅の近くにレッドバロンがある。 彼がいたスタンドからそれほど遠くないはずだ。
Hに電話してみたが留守電になったので、R115のローソンに居ること、近くにレッドバロンがあるので行ってみるように録音に吹き込む。

須賀川のスタンドで見かけたときに、ムリにでも立ち寄って合流すればよかったとちょっと後悔。 昨年の八月連休でのアレコレが蘇る。 とにかく向こうから連絡が来なければ、動きの取りようがない。

待つこと15分。 やっとメールが来た。

友人H 10:55 RE:パンク発見
空気が漏れていないので、注意して走ります。

向こうが移動中ならば戻っても仕方ない。

待ち合わせ場所に移動して待つという手もあるが、状況が悪化することも考えられる。 ここはなるべく早く合流することを最優先にすべきだろう。 すぐに返事を打つ。

自分 10:57 いいのか、それで
いまどこなのかな?

移動中ならメールのチェックは頻繁にできないだろう。 駐車場の壁にもたれるように座り込み、わずかな日陰に隠れて待つ。

するとどこかで見たようなCBX250Sが走ってきた。 座ったまま大きく手を振ったのだが、こちらに気づかずに通過してしまった。

11:00 慌ててスクランブル発進して追いかける。 2分程度しか遅れていないハズだが、行けども姿が見えない。
「注意して走ります」とは書いてあるが、どうやら「ゆっくり走る」つもりはなさそうだ。

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11:50 あと少しで相馬市街というところまで来て、路肩に停めて携帯をいじっている友人Hを発見。 どうやら留守電は聞いていなかったようだ。
安心したところで、ローソンで買っておいたリポDを飲む。

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リヤタイヤを確認すると、確かに長そうな釘が刺さっている。 いつ刺さったのかは分からないらしい。 空気があまり抜けていないので、先週末に足尾に行ったときか、通勤で拾った可能性もあるという。


とりあえずタイヤは様子を見るとして、これからどうするか。 多少タイムロスしたものの、時間の余裕はまだある。
Hは福島第1原発の立入禁止ゲートまで行ってみたいという。 あまり興味はなかったが、付き合うことにした。 12:01 出発。

12:22 鹿島のセルフで給油して、R6を南下していく。
今週末は相馬野馬追があるので、市街地は交通規制がされていた。

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R6を走っていると、津波や地震の痕跡が目につく。 海岸からは2kmくらい離れている。

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12:41 磐城太田駅に近いセブンイレブン原町大甕店を過ぎると、急に寂れてくる。 この辺りから先が福島第1原発から20km圏内だったようだ。

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建物はそれほど壊れていないが、人が住んでいる気配がない。 立入禁止区域が縮小されても、住民が戻ってきていないということなのだろう。

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SFでよく「人類が死滅した世界」という設定が出てくるが、それが少しだけリアルに感じられる。

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R115から37km(!)戻ったところで、ようやく前方に検問所が見えてきた。 バスの脇に機動隊員が20人くらい整列して出迎えてくれた。
12:52 浪江町堺まであと400mの地点だった。

隊員はみな20代の若者ばかり。「この先は行き止まりなんですよ」と丁寧に応対してくれる。
まさか「知っています。ゲートを見物に来ただけです」とは言えなかったので、「そーなんですか。困ったな。いわき市まで行きたいんですが」などと小芝居を打つ。 親切に迂回路を教えてくれたのだが、申し訳ない。

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13:12 「道の駅 そうま」で休憩する。 まだR115まで半分しか戻ってない。

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R6が通行止めになっているのは、現在は浪江町以南のようだ。
昼飯時だが、水分補給だけして先を急ぐ。 13:33 出発。

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新地駅の周辺が津波の被害が大きかったと聞いたので行ってみる。
14:09 新地町役場の前を過ぎると、急にガランとした空き地が広がった。

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行けるところまで行ってみたら、海までは行けず行き止まりに。 ここが県道38号の谷地小屋交差点のはず。 左に進む。

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家の基礎ばかりが並んでいるところもあった。 外構に表札が付いたままのところもあった。 言葉が出てこない。

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橋が落ちていて渡れない。 自衛隊の仮橋も撤去されたのだろうか。

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GPSを頼りに新地駅があった所に行ってみる。

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津波に押し流された車両や跨線橋は撤去されていた。

気がつくとHがいない。 どうやら逸れたようだ。 一緒にいた地点まで戻ると、反対方向から戻ってきた。 再び一緒に新地駅へ戻る。 14:41 出発する。

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15:17 岩沼でR4へ合流し、右折して県道125号へ。 待ち合わせ場所だったローソンの前を通りすぎて左折。 仙台空港方面へ。

仙台空港周辺は、外食の店舗が廃墟になったいたくらいで、想像よりも復旧していた。
空港の下をくぐるトンネルに入るはずが、空港の中に入ってしまった。 県道10号ではなかったようだ。 ぐるっと廻って県道10号へ戻る。
15:42 仙台空港トンネルを通過。

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15:52 閖上大橋を通過。 道路の両脇は、ほとんどが田んぼだったようだが、土砂の堆積と塩害で復元には時間が掛かりそうだ。

海沿いに瓦礫の処分場があるらしく、ダンプの往来が多い。

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ガソリンスタンドの壊れ具合が、津波の破壊力の凄まじさを物語る。

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16:10 仙台東部道路高架下で県道23号との重複区間に合流。 16:17 R45へ。

今夜は松島町町民の森野外活動センターに予約している。 チェックインが16時半までなのだが、間に合いそうにない。
17時には事務所が閉まるので、それまでには着かなくてはならない。

計画では13時に岩沼で待ち合わせて、被災地をめぐったあとに塩竈で魚屋に立ち寄りたいと思っていたのだが、そんなヒマはなく涙をのんで通過する。 Hとのツーリングでグルメを期待しても無駄なんだけどね。

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JR松島海岸駅の前後2kmはえらい渋滞だったが、無理やりすり抜ける。

16:50 キャンプ場に到着して管理棟に駆け込む。 遅れたにも関わらず親切に対応していただいた。

16:57 設営開始。 明るいうちにテントを張れるなんて、Hとのツーリングでは洞爺湖以来だ。
17:19 風呂と買い出しに出発する。

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17:21 近くの「松島町保健福祉センターどんぐり」に風呂をもらいに行く。 きれいで悪くないのだが、お年寄りが多くて皆が体を洗うのに時間がかかるので洗い場が空かない。 

18:05 さっぱりしたところで買い出しへ。
18:13 迷うことなく松島町役場近くの生協(近くにAコープもある)に到着したのだが、Hのリヤタイヤの空気がだいぶ抜けてきたようだ。

18:46 帰りにR45沿いのJA 松島SSに立ち寄る。 バイクのタイヤ修理はできないとのこと。 閉店時間(19時)も迫っているようだ。 自分もついでに給油してもらう(本日4回目)。

エアを入れてもらうと、サイドウォールの穴からシューシューと音がする。 何らかの手を打たなければ、東京までは走りきれないだろう。

タイヤの内側に貼るパッチとセメントはスタンドに在庫があるし、タイヤレバーは貸してもらえるそうなので、明日の朝また来ますということでキャンプ場へ戻る。

持参したバーベキュースタンドで炭を熾して宴会開始。
蚊取り線香を持っていったのだが、なぜか右の肩甲骨のところを集中して蚊に刺されてしまった。 ポケムヒを持参したのだが、届きそうで届かない。

ビール500mlを2本と焼酎を少し飲んで、23時にお開きとなった。
暑かったのでシュラフは使わず、エアマットの上に転がって就寝。


本日の走行距離 510.5km
Google Earth用KMZファイル(自宅~松島) → 20120728.kmz

二日目へ続く。