石廊崎漁港の駐車場にバイクを置いて、遊歩道を上っていく。
この上りが結構長い! 足の悪いお年寄りにはちと酷だが、幸い路面は良いので車椅子でも問題はないだろう。
みるみる標高が上がっていく。 息も切れる。 本当にこんな苦労をしてまで行く価値があるのだろうか?
500mほど行ったところで、何かのレジャー施設の跡地みたいなところに出る。 灯台まであと500mとの標識があった。 ここが中間地点のようだ。
おおっ! これはまるで佐多岬のようではないか!? かつてここには石廊崎ジャングルパークなるレジャー施設があったらしい。
しかも驚いたことにそれを運営していたのは、佐多岬ロードパークを運営していた岩崎産業だったという。
ガラスも割れてないし、佐多岬ほどには寂れていない。 外に置いてある自販機はちゃんと動いていた。
さらに進むと鳥居が現れた。 不釣り合いに綺麗な公衆便所もある。
灯台に向けての最後の上り。 建設省の標識があった。
やっと見えたよ、石廊埼灯台が。
この灯台も、木造の初代はリチャード・ブラントンが建てたものだ。 「日本の灯台50選」にも選ばれている。
高台にある灯台の例に漏れず、ここも高さは低い。
今はコンクリート製に建て替えられており、外壁はタイル張りだ。
灯台の脇を通ってさらに岬の先端へと行ってみる。
なんじゃこりゃ!? 全く予習してきてなかったのですごいインパクトだ。
階段を降りようとすると... ん? こ、これは... まるで鵜戸神宮じゃん! 運玉はないけれど。
ここは石室神社というところらしい。 途中に鳥居があったのは、この神社があるからだった。
中には神主さん(?)がいた。
突端は周遊できるようになっているようだ。 行ってみよう。
振り返って石室神社を見る。 すごいところに建てたものだね。
突端には祠があった。 どうやらここは縁結びの神様らしい。
石廊崎近くの長津呂の郷に住むお静という名主の娘が、漁師の幸吉と恋に落ちたが、身分の違いで許さぬ恋であったため、幸吉は神子元島に流された。幸吉を忘れられないお静は、毎夜石廊崎の先端で火を焚き、神子元島の幸吉と愛を確かめ合っていた。
ある晩、神子元島の火が見えないことを心配したお静は、たまらず小船を出して神子元島に向かったが、折りからの大風で波は高く船は進まず、お静は一心不乱に神に祈った。その甲斐あって神子元島に漂着し、無事二人はめぐりあい結ばれた。その後二人を親たちも許すこととなり、末長く幸せに暮らしたという。
お静が火を焚いたところに熊野権現の祠が祀られ、以来縁結びの神として知られることとなった。明治初期の神仏分離により熊野神社と称するようになった。
なるほどねぇ。
突端の真下は、黒潮が流れる。 台風の影響か、少し波が荒い。
あれが神子元島かな? ここから直線距離で9.5kmくらい離れているはずだ。
カメラをズームしてみると、おお! あれは神子元島灯台ではないか!
幕末に江戸幕府と列強との間で結ばれた改税約書(江戸条約)に基づき建設された、条約灯台と呼ばれる8基(観音埼、野島埼、樫野埼、神子元島、劔埼、伊王島、佐多岬、潮岬)のうちのひとつ。竣工は明治3年旧暦11月11日(西暦1871年1月1日)で、初点灯には三条実美、大久保利通、大隈重信ら明治の元勲と英国公使ハリー・パークスが来島し立ち会っている。灯台建設の監督はスコットランド人のリチャード・ヘンリー・ブラントン。下田から切りだされた伊豆石を精緻に積み重ね、目地には日本初の速成セメントが使われている。石造灯台では日本最古の現役の灯台であり[1][2][3]、国際航路標識協会 (IALA) が選定した「世界歴史的灯台百選」のひとつでもある。また日本政府により史跡に指定されている。等級は第3等群。
これももちろん「日本の灯台50選」に含まれている。 定期船がない離島なので行く事はできないが、クリアしたことにしておこう。
東側の景色は風光明媚。
かたや西側の景色。 ゴジラみたいにゴツゴツしていて荒々しい。
巨大な裂け目に波が押し寄せ、飛沫が上がる。 迫力満点だ。
風を避けて、岩影に腰を下ろして弁当を食べる。 いやー、最高だね。 何の変哲もないコンビニ弁当が、すごく美味しく感じる。
しばらくすると、神主さんが祠の周りをぐるっと一周した。 散歩かな? もしかしてオレの姿が見えなくなったから、自殺したかと心配したのかも?
石廊埼灯台は参観灯台ではないが、年に2回ほど一般公開を行なっているらしい。
11月というと灯台記念日あたりかな?
という訳で、石廊埼灯台と石室神社には来る価値があるよ。
時間も押しているので、ツーリングに戻ろう。
禄太郎
ここ、凄いですね。まさに佐多岬&鵜戸神宮、さらには日向岬までもを網羅している感じがしました。しかもあの岩崎産業が絡んでいたとは!。社長が端っこマニアだったんでしょうかね。
漠然とあこがれの地のひとつだった伊豆半島ですが、想像以上にいいところのようですね。いつか行きたいなぁ。
ダブリン市民から禄太郎への返信
帰宅して嫁に「凄いところだったよー」と話したら、「あたし、そこ行ったことある」ですと。
若いころ、女友達と行ったのだそうです。 やはり、縁結びの神様として有名なんだとか。
ちょっと悔しいですが、でも伊豆へ行くなら時間をかけてでも立ち寄るべきスポットなのは確かですね。