ポート加工の効果

今週末は特に予定もなかったので、一念発起して101ccエンジンのポート加工を行いました。

96ccエンジンを復活させるときも、101ccにボアアップするときも、ポート加工もやりたいと考えていたのですが、日程的にムリ(土日で終わらない)で断念していました。


でも本当は日程の問題よりも、「作業が大変なわりに、効果なんて体感できない」と否定的に考えていたせいでもあります。
極限を追求するレースならいざ知らず、通勤メインの公道走行でポート加工の効果が体感できるワケがない。 「効果があった」なんて言うのは、どうせプラセボ効果だろう? と思っていたのがホンネです。

実はポート加工をしたのは、今回が初めてではありません。
支那ヘッドをビッグバルブ化した際に、ポート加工したのが最初です。 しかしこのヘッドを使用する予定だった125ccエンジンが壊れてしまったので、効果を確かめることが出来ていませんでした。
今回はバルブサイズはそのままで、ポート加工以外は手を加えていないので、正確に効果を見極めることができます。


作業は11時頃から始めて、16時半に終わりました。 二度目なので、前回よりは効率的に加工できたと思います。 インマニやエキパイ内径とスムーズにつながるようにポートを拡大していますが、バルブガイド周囲の膨らみや面粗度についてはかなり妥協しています。
燃焼室やバルブへのカーボンの付着が著しく、それを除去するのに1時間弱掛かっています。

タペットクリアランス(0.05mm)を合わせたところで、犬の散歩に行く時間になりました。 ヘッドの取り付けは明日でもいいかと思っていたのですが、天気予報では雨ということなので日没後に取り付けとなりました。 今回はエンジンは下ろしていないのでラクでした。


無事に作業が完了したので、ガソリンを入れに試運転に行って来ました。
自宅を出て、住宅街の坂道を30km/hくらいで上っているときから、「」  気のせいではなく、違いを感じます。
県道に出てフルスロットルにしてみます。 「!!!」 違う! 全然違います!! 坂道でもぐいぐい登っていきます。
96ccで復活したとき、70km/h台で長い上り坂に入ってもジリジリと60km/h台に落ちてきたものでしたが、今度は70km/h台をキープしたまま上りきれる感じです(もっとも125cc+ハイカムなら上り坂でも加速を続けて80km/hに達するんですが)。

何でしょう、これは? なんというか、排気量がアップしてトルクが太くなったような感じです。
でも120ccから125ccにボアアップしたときや、96ccから101ccにしたときに比べても、強い効果を体感します。 およそ10cc分のボアアップに相当する感じでしょうか。 ノーマルの120cc支那エンジンに肉薄しそうです。
単に排気量が大きくなった感じだけではなく、吹け上がりや高回転域の伸びも良くなったような印象すらあります。

給排気ポートを拡大・研磨すると、混合気の充填効率や燃焼ガスの排気効率が高まります。 これは実質的に排気量が大きくなるのと同義ですから、体感した効果と一致します。
ただ改善幅はせいぜい3%くらいだろうと踏んでいました。 体感では10%ぐらいありそうな感じです。
もっとも、これは元の支那ヘッドのポート形状が良くないからかもしれません。 純正90ヘッドや社外品のヘッドなら、ここまで劇的な効果は感じられない可能性はあります。


という訳で、我が不明を恥じなければなりません。 ポート加工の効果は「都市伝説」なんかじゃありません。 少々手間は掛かりますが、それだけの効果はあります。