トヨタ、10年3月期 営業黒字1475億円

<トヨタ>2期ぶり営業黒字1475億円 3月期(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

トヨタ自動車は11日、10年3月期連結決算(米国会計基準)を発表した。本業のもうけを示す営業損益が前期の4610億円の赤字から一転し、1475億円の黒字を計上した。従来予想は200億円の赤字だった。営業黒字は2期ぶりで、当初の11年3月期の黒字化目標を1年前倒しで実現した。年度後半に大規模リコール(回収・無償修理)問題が起きたが、各国の新車購入支援策による販売底上げや約1兆7000億円にのぼるコスト削減などが寄与した。(中略)
 
売上高は前期比7.7%減の18兆9509億円、経常損益は2914億の黒字(前期は5603億円の赤字)、最終(当期)損益は2094億円の黒字(4369億円の赤字)だった。
 
日野自動車とダイハツ工業を含む連結販売台数は国内とアジアで増加したが、リコール問題の影響などで北米や欧州で減少し、前期比33万台(4%)減の723万台だった。ただ、コスト削減を従来予想より1000億円積み増したことなどから「損益分岐台数が、年間800万台をはるかに超えるところからほぼ700万台に近づいた」(伊地知隆彦専務)ことも業績改善要因となった。
 
11年3月期は新興国の販売が増えることなどから売上高は前期比1.3%増の19兆2000億円、営業利益は2800億円(前期比89.8%増)、最終(当期)利益は3100億円(48.0%増)の増益を予想。販売台数は0.7%増の729万台を計画する。

1兆7,000億円のコスト削減ってすごいね。 2月の時点からさらに1000億円積みましてるんだから呆れるわ。

本当は春闘の時には、既に黒字転換は見えていたハズだよね。 当時はリコール騒動真っ只中で、黒字予想は出しづらかったのはわかるけど、結果的に従業員を騙したと言われても仕方ないような。 もっとも、トヨタの従業員は耐性が高いので、文句も言わずに喜んでカイゼンに勤しむのだろうけど。

一方、今期の業績予想ですが、

トヨタ通期業績見通し…最終利益3100億円 アジア・中南米がけん引(レスポンス) - Yahoo!ニュース

トヨタ自動車の今期(2011年3月期)の連結決算業績見通しは、最終利益が前年同期比48.0%増の3100億円と大幅増益を見込んでいる。
 
今期の車両販売台数は同0.7%増の729万台と低い伸び率を想定している。海外販売はアジア、中南米で販売を伸ばし、同5.8%増の537万台を見込んでいるが、国内販売がエコカー補助金制度の打ち切りで同11.2%減の192万台に落ち込む見通しなため。
 
売上高は同1.3%増の19兆2000億円と微増を予想。
 
営業利益は同89.8%増の2800億円、税金等調整前当期純利益が同13.2%増の3300億円となる見通し。
 
為替水準は1ドル=90円、1ユーロ=125円を想定している。

対ドルの為替レートはホンダと同じですが、ユーロは若干円安に見ていますね。
ホンダよりトヨタの方がユーロに対する感応度が高いので気になるところです。

トヨタ、2期連続黒字目指すが本格成長回復は道半ば(ロイター) - Yahoo!ニュース

なお、リコール問題を受けた関連費用の引き当て方法の変更が、1057億円の減益要因になったとしている。(中略)
 
トヨタは08年3月期には2兆円以上の営業利益を稼ぎ出している。豊田社長は営業利益が1兆円に戻る時期については「大変難しい質問」とし、「お客様の信用・信頼を回復できる良品廉価な車作りが成長回復への一番の近道」と述べた。
 
同社はリコール問題の販売への影響について、2月時点で10万台程度と試算していたが、会見した伊地知隆彦専務は「台数への影響は想定より少なかった。1700億─1800億円とみていた関連費用は想定の範囲内だった」と述べた。
 
リーマン・ショック後の世界的な自動車需要の急減が直撃したトヨタは、損益分岐点の引き下げが課題。伊地知専務は「損益分岐点が800万台以上だったが、10年3月期は729万台で利益を確保した」として改善効果があったと強調した。一方、「さらに損益分岐点を引き下げるのりしろはある」として、今後も生産体制の改善を進める意向を示した。

2000億円の引当金を積んでいるので、業績への影響はない」ということでしたが、1057億円はみ出したということになるのかな?

トヨタの決算内容についてアドバンスト・リサーチ・ジャパンの自動車担当アナリスト、遠藤功治氏は2011年3月期の営業利益予想2800億円について「ちょっと弱めという印象だ。会社が想定する数字と外に出す数字は違うだろう。会社としては4000億円から5000億円ぐらいと思っているのではないか。非常に保守的な、最低限この水準は達成できるという数字を出してきたのではないか」とコメント。
 
今年度の販売台数予想についても「ものすごく保守的だ。国内販売台数は、9月に補助金がなくなった後、ドスンと販売が落ちるとみている数字だ」と指摘した。その上で「補助金廃止後の国内市場の動向と販売奨励金をやめた後の北米での売り上げや原材料価格動向などがリスク要因」との見方を示した。
 
日興コーディアル証券のシニアストラテジスト、河田剛氏は「内容からは特にサプライズはないが、確実に回復に向かっていることを印象づけており、株式市場にはプラスの影響が出るだろう。2011年3月期の連結業績予想に関してはかなり控えめで、上方修正への期待が買いにつながりやすい」とみている。

ホンダは補助金切れても各社がインセンティブで支えるので、販売は下がらないと見ています。 

販売台数で半分以下のホンダに比べても、前期/今期ともに営業利益は下回る水準ですから、黒字転換したといっても満足できる水準ではないのは確かです。
それでも日本製造業のトップ企業たるトヨタの業績が上がらないことには、景気も上がりません。 是非とも頑張ってもらいたいですね。