車輪脱落で事故、ハブの欠陥認めリコールへ 三菱ふそう

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asahi.com : 車輪脱落で事故、ハブの欠陥認めリコールへ 三菱ふそう

三菱ふそうトラック・バスによると、初めての死亡事故となった02年1月の横浜の事故に前後して、これまでに同種のハブが壊れる事故が50件余り起きている。
関係者によると、同社は、このままでは同様の事故が起きる可能性が否定できないと見て、改めて自社で検証実験を実施。ハブが壊れる原因は整備不良ではなく、ハブの厚さや材質、耐久性といった設計や、製造段階で破損につながる原因があると判断した模様だ。

通常では考えられない事故だからこそ、第一報が入ったときにきちんと対応していれば、横浜母子死傷事件も防げたかもしれません。 対岸の火事ではないなぁ。

続報です。

asahi.com : 同種事故15件報告せず 三菱自、99年のハブ破損時

三菱自動車の回答について、元同社の技術系幹部は「手前勝手な企業の論理。うそではないが、組織としての保守的な論理が働いたのではないか」と指摘した。

なんだか問題の根っこは、企業内に蔓延する無責任や自己保身の考え方みたいですね。 気をつけないと、どこの会社でも起こりえる問題です。

三菱自動車、ハブの実車実験せず 欠陥見落としの可能性 - asahi.com : 社会

三菱自動車は83年から現在まで5回、大型車に使うハブの設計変更をした。社内では設計段階順にA~F型ハブと呼び、このうち横浜市の死亡事故を起こした大型トレーラーに使われたのは93年3月~95年7月に製造されたD型ハブ。
 
《中略》
 
D型ハブの破損事故はこれまでに36件もあり、捜査当局が他の大型車メーカーに依頼して鑑定したところ、D型はC型よりも強度が弱かった。このため、D型に設計変更した際の経緯について設計担当者らから詳しく事情を聴いている。

YOMIURI ON-LINE / 過去5年の「ハブ」破損すべて三菱、国交省対応せず

三菱ふそうトラック・バス(東京都港区)が大型車のリコール(無料回収、修理)を表明した問題で、昨年9月までの約5年間に国内トラックメーカー4社の大型車で起きたタイヤ脱落事故84件のうち、車軸周辺の「ハブ」と呼ばれる部品の破損による事故40件が、すべて三菱ふそうの車両で起きていたことが12日、分かった。

行政指導にも限界があるしねー。

Mainichi INTERACTIVE 三菱ふそう:ハブ設計ミス報告せず 2年前に亀裂確認

国交省や関係者によると、同社は02年1月に横浜市瀬谷区で脱落タイヤの直撃を受けた母子が死傷した事故を受け、同年3~6月、自主点検で交換されたハブ約480個を抽出して磁気探査検査を実施した。その結果、3割にあたる約140個から微細な亀裂が見つかり、うち3個は目視できる大きさだった。
亀裂は、整備不良などで0.8ミリ以上金属が摩耗したハブにも、整備状態が良好で摩耗が0.2~0.3ミリ程度のハブにも満遍なく発生しており、いずれも脱輪事故の際の破断個所と同じ湾曲面に集中していた。

ふむふむ。

Mainichi INTERACTIVE 三菱ふそう:国交省追及でリコール 社長ら直接釈明、2日後に

ポート社長らは8日に同省を訪れ、自動車交通局技術安全部の幹部職員らに対し、整備不良が原因と改めて説明した。一方で、同社は約2年前に、ハブの亀裂の原因が整備不良とは因果関係がないことを示すデータを得ていたが、この席上で同省側に初めて提出した。
国交省側は「整備不良から亀裂、破断に至るという従来の説明と矛盾するのではないか」「やはり設計ミスではないか」などと追及した。同社は90年代にハブの設計を変更した際、社内規則で定める実車実験を行っていなかった事実も認めるなど、従来の説明との相違点が判明したという。
国交省から改めて社内検討などを指示された同社は2日後の10日、同省との再度の会議で「原因は整備不良などさまざまな要因が複合したものだが、設計上の問題があったことは認める」として、リコールの届け出を表明したという。

雪印乳業やミドリ十字と同じくらいのヒドイ話ですね。 この2社は社名が変わってしまいましたが、三菱ふそうはどうなるのでしょうね。

ハブ破損事故後の社内報告で欠陥指摘 三菱自の技術者 - asahi.com

タイヤと車軸をつなぐ金属部品のハブ破損が死亡事故につながった問題をめぐり、三菱自動車の技術者の1人が、事故後の昨年3月に開かれた社内研修会で「ハブ破損は整備不良による摩耗とは関係が少なく、三菱は、実車実験をしないなど、重要部品の耐久強度評価をおざなりにした」と発言し、リポートにまとめていたことがわかった。

技術者としての矜持があれば、間違っていることは間違っていると言わずにおれないでしょうね。

asahi.com : 三菱のハブ自主点検、路線バス1万台除外 国側要請拒む

関係者によると、自主点検を同社が決めた際、国土交通省は路線バスなども対象に加えるよう要請した。これに対し、同社は「路線バスは走行距離が短いうえ、(脱落事故が多発した)前輪への負荷も少ない。整備不良でハブが摩耗しても破損する可能性は低い」などと反論。また、路線バスの脱落事故はこれまでに一台もなかったと説明したという。

三菱、交換用のハブも安全性疑問 国交省が再設計要求へ - asahi.com

ハブは製造順にA~F型まで6種類ある。
このうち、83年から89年までに製造された、古い車種に使用するA型とB型ハブでは、すでに破損事故が起きており、国交省は、まずはB型の新品に交換した上で、新たなハブを設計、製造し、再度取りかえるよう求める考えだ。
さらに、89年12月以降に製造された新しい車種に使っているC~F型ハブについても、設計段階で耐久性試験を十分にはしていなかったことが分かっている。同省は新品のF型に取りかえさせると同時に、F型についての耐久性試験を実施させ、問題があればやはり作り直しを求めるという。

三菱ハブ破損、社内調査班が亀裂把握 国交省へ報告せず - asahi.com

三菱自動車製大型トレーラーの車輪脱落による母子死傷事故から約4カ月後の02年5月ごろ、同社が原因究明のため、副社長をトップに社内に設置した調査班が、タイヤと車軸をつなぐ金属部品「ハブ」の3割で亀裂が見つかったとするサンプル調査の結果を入手していたことがわかった。設計ミスを疑わせる内容だったが、同社は当時、この調査結果を国土交通省に示さず「脱落の原因は整備不良」と報告した。

副社長レベルで握りつぶしていたとなると、極めて重大な「犯罪」ですね。

asahi.com : 三菱自が11万台リコール届け出 交換用部品も強度不足

三菱自動車製の大型車で金属部品「ハブ」が壊れてタイヤが外れる事故が相次いだ問題で、同社から商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスは24日午後、国土交通省にリコール(無償回収・修理)を届け出た。設計上に不具合があり、ハブの強度が不十分だとして製造者責任を認め、約11万台のハブの点検と交換を進める。しかし、一部の車種では交換用の新品ハブも強度が不足しており、同社は改めて設計し直した新製品を取り付ける。

というわけで、ようやく正式にリコール届けが提出されましたが、これで終わったわけではありません。 なぜこのような事態になったのか、司直の手を借りる以前に自ら正直に明らかにするのが、企業存続の絶対条件です。