―― アップルを引き合いに出して、イノベーション、とりわけオリジナルなビジネスや製品を開発することの重要性がしばしば語られます。こうした論調について、どうお考えですか。
井上:確かによくそういう言い方がされます。しかし、アップルが本当にオリジナリティーだけを追求してきた企業なのかどうか、よく考えてみる必要があります。
例えば、(パソコンの)マッキントッシュは、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)とマウス操作を実現しましたが、GUIやマウス自体は、米ゼロックスのパロアルト研究所で開発されたもので、アップルが創ったわけではありません。それ以外の製品についても言えることですが、アップルは実は模倣がとても上手な企業なのです。(中略)
よそで開発された技術を結びつけて、優美なソフトウェアとスタイリッシュなデザインで包み込む。他社の技術やアイデアを持ち込むことを恐れず、ちょっとひねりを加えて自社の魅力的な製品を作り出す。そういった強さを持っているのがアップルです。
実際、創業者の故スティーブ・ジョブズ氏も、模倣について肯定的でした。「素晴らしいアイデアを盗むことに我々は恥を感じてこなかった」という言葉を残しています。
そうそう。 昔のAppleを知ってる人間からすると、真似上手というイメージが強いです。
それでいて真似されるのは嫌いなんですよね。 晩年のジョブズの「Androidは抹殺する」という発言は残念でした。


