Intel、将来のNetBurst系CPUをすべてキャンセル

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後藤弘茂のWeekly海外ニュース:Intel、将来のNetBurst系CPUをすべてキャンセル

今回のTejasキャンセルの裏にある根本原因は明瞭だ。ひとつは、もはやシングルコアの複雑度を増やしてパフォーマンスを向上させることは限界があるということ。マルチコアへ向かわないと、CPUのパフォーマンス向上が望めなくなりつつある。実際、今や、ほとんどのCPUベンダーがマルチコアへまっしぐらに進んでいる。「シングルコアよりマルチコアの方が合理的」とソニーの久夛良木健氏(ソニー副社長/ソニー・コンピュータエンタテインメント社長兼CEO)も指摘する。PCやサーバーだけでなく、PlayStation 3や次世代Xbox(Xenon)といった次世代ゲーム機もマルチコアへ向かっている。

でもね、それはサーバーとかには言えても、デスクトップでマルチコアによる高速化が有効かは疑問です。

先月、職場にXeon 2.8GHz X 2個を搭載したPCWSが導入されました。 CAD用のセットアップをしたのですが、私が使っているP4 2.6GHz(1CPU)と比較して、特別速いという印象は受けませんでした。
このXeonはHT対応なので、BIOSで有効にしてやると1つのCPUが2つに見えます。 つまりOSからは4CPUに見えるんですね。 それでも体感速度はビックリするほど速くはないです。

動画のエンコードとかやるようになればまた違うでしょうし、裏でCAEやらせながらCADでモデリングしてもストレスは感じないかもしれません。 でもマルチコアCPUを、一般ユーザーがどこまで真価を発揮できるかというと、なんとも言えませんね。

それにしても、NetBurstアーキテクチャとは結局なんだったのでしょうね。
登場当初から、クロック当たりの性能では旧世代のP6アーキテクチャに劣っていました。 クロックスピード至上主義で、AMDのAthlonに1GHzの差をつけましたが、結局は高クロックによる消費電力と発熱で、自らの寿命を縮めてしまいました。

そう考えるとAMDのAthlon系は、半導体プロセスの進化とCPUの性能向上において、NetBurstよりも適切な選択をした、ということでしょうか? 64ビット化も果たして、今後の性能向上の余地もありそうですし。 マルチコア化についても、可能性はありそう。

@IT:頭脳放談:第39回 AMD Opteronのダイを眺めてみれば

逆に追加する方では、2次キャッシュを挟んで対称にもう1個のコアを置くのは面積的にもそれほど大きなインパクトではなさそうである。いまのプロセス世代でも不可能ではなさそうだ。さすがに2次キャッシュを2倍にして、コアを4個載せるとなると、とんでもない大きさになりそうで駄目だ。製造プロセス的には3世代くらい進化が必要な感じがする。そう思って見ていると、コアを2個縦積みにして2次キャッシュも2倍にすると、正方形に近い形になることが分かる。でもこれもそうとう大きいが、製造プロセスが1世代進めば何とか可能なレンジとなりそうだ。

ドッグイヤーのIT業界で、5年、10年先を読むのは大変なことです。 NetBurstアーキテクチャの蹉跌は、インテルのムーアの法則と己の力に対する過信が原因なのでしょう。


続報です。

ITmediaニュース:AMDのデュアルコアOpteron、2005年に登場へ

Opteronに使われているDirect Connectアーキテクチャのおかげで、一つのシリコン上にプロセッサを2個配置するのは容易だと、AMDのサーバ/ワークステーション事業部副社長ベン・ウィリアムズ氏は説明。Opteronは統合型メモリコントローラとHypertransport接続を採用しており、出入力ポートへの接続やほかのプロセッサへの直接接続が可能だと話している。

やはり出てきましたね。