PCの技術で完璧な「専用機」を作る

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ITmedia ライフスタイル:PCの技術で完璧な「専用機」を作る

だがエディロールのDV-7DLが決定的に違うのは、PCライクなルックスはしているが、汎用性がまったくないところだ。OSはBeOSを採用しており、ソフトウェアは専用の編集ソフトだけしかない。電源を入れれば10秒とかからずに編集ソフトが起動し、マシンの終了も編集ソフトウェアが終了すれば終わり。OS画面に降りるという瞬間が、まったくないのである。というか、OS画面のGUIすらない。

なんと、BeOS! ”死んだハズだよ、お富さん”だね、まったく(古!)。

続き。

PCを何かの専門用途に使うということでスペックを突き詰めていくと、イマドキのPCとしてはものすごく偏ったものになる。例えばDV-7DLでは映像を扱うくせにDVDは見られないし、Webで調べ物もできない。そもそもネットワークにつながらないのである。

昔のCAD/CAM端末は、専用ハードウェア上に専用OSとアプリが載っていました。 当時は1台3,000万円なんてのも珍しくはなかったです。

やがて専用ハードは、SGIなどのエンジニアリング・ワークステーション(EWS)に変わり、アプリケーションはUNIX上で動くようになりました。 それでも1台1,000万円以上しました。
やがてWindowsNT4.0とPentiumPROが出たあたりから、Windowsへ移植されるCAD/CAMソフトが増えてきました。 今ではハード・ソフト込みで500万円以下です。

専用ハードやEWSを使っていた頃は、PCすら一人一台ではなかったので、「CAD端末でもワープロが使えればいいのに」とか思っていました。 PCが普及してからも、「CATIA V4を使いながらNotesのメールをチェックしたい」と思うことが多いです。

でも500万円もするPCWSで、10万円台の事務用PCでも出来ることをさせるのは、ちょっと無駄なような気もする。 CAD/CAMソフトはノードロック対応だとしても、普通はソフトと同数のPCWSしか買わないから、結局その間他の人はCAD/CAMソフトを使えないし。

Windowsの普及で、ソフトの起動までは誰でも出来るけど、その先の習熟はOSに関係なく時間が掛かる。 ファイル管理をWindowsのファイルシステムに依存するようになって、ネットワーク環境の構築やメディアの交換は便利になった。 でも、アクセス権制御や”意味のある分類”は、専用ファイルシステムに比べてやりにくくなった部分も多い。 誤操作による改変・消去の可能性も高くなった。

そう考えると、ハードウェアは廉価で高性能なPCの部品を使い、ソフト(OS+アプリ)で専用機を作るというのも、時代錯誤ではない考え方かもしれないね。