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ITmedia エンタープライズ:カリスマに代わりはいない、それが問題だ

ITmedia 2007年問題というキーワードについて、どのような印象を持っていますか。
堀 2007年問題は、実は米国では昔からありました。というのは、特にシリコンバレーなどでは、離職率が年20%もあり、5年経過すると統計上はすべての社員が入れ替わる計算になるからです。つまり、米国の多くの企業では、知識(ナレッジ)が社内に蓄積されることを前提にした経営はできないことを意味しているのです。言うなれば、それと同じことが日本でも、2007年問題として起きるわけです。

長期的視野に立った社員教育なんてしないし(出来ないし)、必要な時に必要なスキルを持った即戦力の人材を雇う訳です。 それも人材流動性があるからこそ可能なんですが。

続きです。

このような考え方でも米国企業の経営がうまく回っているのは、情報系システムが充実していることに理由があります。たとえ社員の多くが離職したとしても、ノウハウが情報系システムに効率的に蓄積されていれば、大部分の仕事は、次の担当者に引き継ぐことができると言っていいのです。
 
情報系のシステムがあれば、後継者が、過去5年の売り上げ傾向や顧客、売れ筋商品など、ビジネスにかかわるさまざまな情報をすぐに得ることができるわけです。これまで、日本では、こうしたシステムが適切に導入されている企業は必ずしも多くなかったのも事実です。逆に、米国でBIのような情報系のシステムの導入が進んだ理由は、もともとナレッジを人に蓄積していくことが前提になっていなかったため、と考えられるのです。

えー? 「ナレッジ」ってこの程度のレベルの話なの?

PLMの分野でも、「設計上のナレッジをシステムに組み込んでいきましょう」などとベンダーはホザいている訳なんですが、自分の知識・スキルを言語化・体系化しなきゃならないんで大変なんですよ。 通常業務を抱えたまま、そんなことやってるヒマあると思います?

とはいえ、もう若い人に仕事を教えていかなきゃならない年齢なので、いやでもやっていかなきゃならないのですが。