一眼レフとファン心理

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【インタビュー@Photokina 2006】「多様化するにはデジタル一眼レフ市場はまだまだ小さい」

-- 研究開発という意味ではきちんと投資を行なってらっしゃいます。そうではなく、やや下品な言い方かもしれませんが、ここまで高いシェアときちんとした利益率の確保が可能なのであれば、他社の得意分野にも踏み込んで、全方位的にあらゆるユーザーを取り込むことができるのでは?
 
「そんなにうまく行くものではありません。確かに、工業製品の場合、良い製品を作れば売れるものです。しかし、一眼レフカメラには製品の善し悪しという評価軸以外にもうひとつ、好きか嫌いかという評価軸があります」。
 
-- つまり、キヤノンが嫌いな人がいるということでしょうか?
 
「その通りで、キヤノンが嫌いな人はいます。それは各社の製品に“ファン”がいるからです。ですから、新製品で他社の得意分野に向けてどんなに良い製品を出しても、それが正しく評価されるわけではありません。我々は、今現在キヤノンが好きな人に向けて、もっとキヤノンが好きになってもらう製品を開発することに集中した方がいい。キヤノンはキヤノンが持つ特徴を磨くことで、それまでキヤノンに興味を持っていなかった人に、すこしづつでもその良さが浸透すれば良いと思います」。

これは非常によくわかる。 ソニーがαでいきなりあれだけのシェアを取れたのも、潜在的なミノルタンのおかげでしょう。

自分の場合、初めて自分で購入したカメラはオートボーイでした。 あと、APS時代にはIXYも買ってます。 でも、デジカメになってからはキヤノンのカメラを買ったことはありません。 フジとSONYとミノルタだけですね。 あ、コダックもあったか。

デジタル一眼レフは、おそらく今後も買わないと思いますが、もし買うとしてもキヤノンやニコンは選ばないでしょう。 たとえ製品に文句のつけようがなくても、買いたくない。 それくらいならシグマを買います。
そういう非合理的な部分が、「趣味性」というものの抜きがたい一要素でもあるのでしょう。