日産の「失敗の研究」

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J-CAST ニュース : ゴーン 経営の失敗認める 坂道転がり続ける恐れ

06年秋から乗用車「スカイライン」やビジネスバン「AD/ADエキスパート」、軽乗用車「ピノ」といった新型車を発売してきたが、いずれも大きな台数を稼げる車種ではない。目標にできるだけ近付けようとしているが、今の日産の車種構成では年間75万台(同10.9%%減)を超えることも危ぶまれている。
 
それでも日産は、05~07年度の中期3ヵ年計画「日産バリューアップ」の目標値を変える気が無い。バリューアップの期間中、グローバル自動車業界でトップレベルの売上高営業利益率の維持と、3年間平均で投下資本利益率20%以上の確保、さらにバリューアップ期間終了後の08年度にグローバル販売420万台という3つのコミットメントの達成に向けて、自ら目標の旗を降ろすことはディーラーの意欲をそぎ、自滅に繋がると考えた。

まあ、永遠に勝ち続ける人(企業)なんてないんで、一時的な踊場があっても不思議でもなんでもない。

でも過去の日産の「負けパターン」は、一時的な成功に酔って足元が見えなくなって、経営陣が示す「前年比増」計画に対してマイナス実績を繰り返すというものでした。
今回の躓きは、ゴーン革命によって本当に日産が生まれ変わったのかどうかを示す、試金石になるでしょう。

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【池原照雄の単眼複眼】ゴーンショック! …短期で振れ、大きな下方修正 | Response.

恐らく、その時点で日産社内にも同様の見解から、業績の下方修正を行うべきという意見があったはずだ。でなければ、経営陣の見識を疑う。だが、経営トップは当初の業績見通しを、その段階で降ろすことは認めなかった。
これまでの7年間、常に高めの目標を掲げ、すべてクリアしてきたモメンタムを損なわせないために、それもひとつのリーダーシップであろう。
 
ただし、リスク要因の評価が甘すぎた。原材料の高騰やガソリン価格上昇に伴う車種構成の悪化などは、昨年秋の時点ですでに相当な打撃を与えていた。それを「下期は2ケタ増になる」(ゴーン社長)と見た米国販売だけで乗り切ろうとした。
 
米市場に業績を託すわりには、マネジメントの拙さも表面化した。日産幹部によると、11月に投入した主力車種『アルティマ』は、新型車への切り替え時に旧モデルの在庫が数万台規模残ったというのだ。

いくら北米とはいえ、旧モデルの在庫が数万台というのは、信じられないミスだね。
あまりにトップが「エラく」なり過ぎると、誰も諫言しなくなるんだろうね。 んで、あまりにコミットメントを強調されるんで、失敗を恐れて唯々諾々となると。
そろそろ大きすぎる偶像から卒業しないと、それこそ昔の日産に戻ってしまうよ。