三菱自、優先株の配当延期も

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三菱自、優先株の配当延期も (時流超流):NBonline(日経ビジネス オンライン)

三菱自の経営幹部は「優先株の配当を必ず払うという決まりはない。払えない場合は払うことはできない」と明かし、発行規定では2009年度以降に始まる予定だった配当支払いを先送りする可能性を示唆した。
 
三菱自は経営危機に陥った2004年から、三菱重工業や三菱東京UFJ銀行などグループ12社に対して優先株を発行。合計約4900億円を調達した。この優先株は1株当たり5万円の配当を条件にしており、その負担額は年間200億円にも達する。これは2008年3月期の最終利益の見通し(200億円)に匹敵する額だ。

少しは良くなったとはいえ、まだ一般病棟に移ったばかりの病人のようなものですからね。 輸出に頼っているので、今以上の円高が続けば黒字なんて吹っ飛ぶでしょう。

囲み記事も興味深いですね。

もう1つの問題は人員の確保。初めて進出するロシアでクルマの品質を担保するためには、多くの技術者を工場に張りつける必要がある。しかし、経営危機に際して多くの技術者が三菱自を去った。そして現在、国内工場は輸出するクルマの生産で手いっぱいの状態が続いている。そうした状況下で、海外拠点のために長期間にわたって人員を割くことは難しい。
 
最後は海外展開の優先順位が決まらないことだ。例えば、収益構造が改善されない北米市場は三菱商事出身の春成敬常務が担当しており、販売の改革に取り組んでいる。しかし、苦戦が続き、2008年3月期の営業損益は100億円の赤字となる見通しだ。北米市場はかつて撤退も検討されたが、国内の雇用を守るために存続したいきさつがある。益子修社長は「撤退はない」と明言するが、その一方で新中期計画では「新興国市場の強化を経営の軸足に置く」とも話す。そうなれば、赤字続きの米国にどこまで注力するのか判断が問われる。
 
稼ぎ頭の欧州とアジアにも課題が残る。特に欧州は最も収益性の高い市場だが、その実態はユーロ高に支えられている部分が大きい。収益構造は依然として脆弱だ。輸出による海外販売に頼るため、2007年度上期の営業損益は前年同期から243億円改善したが、そのうち為替益が153億円を占めている。為替レートの変動によっては収益が大きくぶれる恐れもある。

昨年の市場環境でまだ赤字なら、この先の(円高下の)北米市場で黒字転換できるとは思えませんが。

本当は心肺停止の危篤状態から持ち直した時点で、ちゃんと体質改革しておけばよかったと思うんですが、円安に甘えてそのままになっているんじゃないかなぁ。