タタの大衆車「ナノ」、高くついた低価格の公約

  • 投稿日:
  • by

タタの大衆車「ナノ」、高くついた低価格の公約:NBonline(日経ビジネス オンライン)

問題は、ナノに関してタタが抱えるコスト懸念が、ほかの自動車メーカー以上に深刻な点だ。まず、世界の鋼材価格がかつてないほど高騰している中で、インド国内での価格はそれを上回るペースで上昇している。業界の価格基準となる熱延薄板(HRC)の現地調達品は675ドル(約7万3000円)と、ナノを発表した1月から42%上昇している。
 
さらにナノ自体の問題がある。コストを抑えるため、最新車種の多くに採用されているハイテク装備の大半を省いている。そのため、鋼材やゴムなどの原材料のコストがナノの総コストに占める割合は、ほかの車種に比べて高くなっている(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年5月9日「Inside the Tata Nano Factory」)。

もともと”体脂肪”が少ないので、これ以上ダイエットはできないだろうし、苦しいところですね。

たとえ「ナノ」の価格を据え置いたとしても、

タタが低価格を維持しても、顧客が物価上昇に直面することに変わりはない。まずナノは自動車としては燃費効率に優れているものの、オートバイにはかなわない。2輪車から乗り換えた消費者は、燃料価格の上昇の影響を痛感するだろう。
 
(中 略)
 
ある大手民営銀行幹部は、タタと取引関係があるため匿名を条件に次のように明かした。「普通ナノを買うのは、車を購入するのが初めての層だ。リスクが高いため、金利を高めに設定せざるを得ない」。

インド国民は、クルマの保有・運用コストがバイクに比べてはるかに高いという「常識」に、直面することになるのでしょう。

いまさら言っても仕方ないことですが、「ナノ」の登場があと3年早ければ、自動車業界に革命が起きていたかもしれませんね。
逆風下の船出ですが、タタ・モータースには頑張ってほしいと思います。