強烈なライバル視は賞賛の裏返し

【池原照雄の単眼複眼】プリウス、強烈なライバルへの意識 | Response.

用意された資料が品切れになる大盛況となった18日のプリウス発表会では、トヨタのHV方式を「ストロングハイブリッド」とし、ほかのHV方式を「マイルドハイブリッド」として、違いをコントで実演した。男性4人が2人乗り自転車2台に分かれて乗り、それぞれの2人がエンジンとモーターの役目を演じるというもの。
 
同じ内容は、一般向けのカタログにもイラストや図などで4ページにわたって紹介されている。マイルドハイブリッドの方は「架空のクルマです」と記載しているが、明らかにホンダのHV方式を想定したものだ。(中略)
 
ホンダ方式を仮にマイルドと呼ぶにしても、クラウンに搭載したシステムとはモーターの役目が大きく異なっている。また、カタログにはマイルド方式は「モーターが小さいので、モーターだけでは走行できない」と明記している。
 
ところが、インサイトや『シビックハイブリッド』では、低速クルーズ時にエンジンを気筒休止し、モーターだけで走る場面もわずかではあるが存在する。カタログの別のページではマイルドは「モーターのみの走行は、ほとんどできない」と、説明が揺らいでいる。

HV車の販売実績では圧勝しているトヨタが、ここまで過剰反応したこと自体が、ホンダにとってはある種の勝利でしょう。 脅威(ライバル)と認められたということですから。
ようやく新型プリウスが発売されて、改めてインサイトとの比較記事があふれるでしょうから、しばらくは消費を喚起する原動力になるでしょう。

おそらく今後プリウスは登録車首位を独走して、09年度の1位を獲得するでしょう。 ただ、それがトヨタ全体の販売や収益に結びつかなければ、「勝負(PI戦争)に勝って、試合(企業収益)に負ける」ことになります。

詳しくはこちらの記事に載っています。

【トヨタ プリウス 新型発表】あのハイブリッドとは違うんです!! | Response.

東京・臨海副都心のトヨタショールーム「メガウェブ」1階に設置された特設会場の舞台には、タンデム2人乗りの自転車が2台。「それではこれより、ストロングハイブリッドとマイルドハイブリッドのデモを行います」とナレーター。
 
どちらも前がエンジン役、後ろがモーター役。マイルドハイブリッドのほうは「いっせーのーせっ!」と一緒に発進する。「このように、マイルドハイブリッドはスタートからエンジンとモーターの両方を使います!」
 
実は1モーターのマイルドハイブリッドも、エンジンとモーターの間にクラッチを挟んだり、モーターをクラッチやトルクコンバーターより後ろに配置したものは、モーターのトルクだけで発進できる。このデモが、エンジンとモーターが結合されているホンダ『インサイト』を指すのは明らかだ。
 
さらに、減速時に得られる回生エネルギーの大きさ、モーターのみの走行の可否など、プリウスの比較優位のパフォーマンスが延々と続いた。最後はマイルドハイブリッドのエンジン役はヘトヘトの演技、ストロングハイブリッドのエンジン役は「まだまだ元気いっぱい!」
 
マスコミ向けの新車発表でこれほどの“比較広告”がなされるのはなかなか珍しい。ホンダの関係者がもしこの発表会を見ていたら憤死する(?)ような、挑発的なパフォーマンスだった。ハイブリッドの本家はトヨタという強烈な自意識の表れと言えよう。

そのうちトヨタもホンダ式ハイブリッドを出すでしょうが、そのときにはどのようなデモをするんでしょうね。