日産・志賀COOが激白 「われわれは電気自動車に本気だ!」

日産自動車 志賀俊之COOインタビュー 「われわれは電気自動車に本気だ!」 | NEWS MAKER | ダイヤモンド・オンライン

―ゼロエミッション車のリーダーとは電気自動車のリーダーになるということだと思うが、市場シェアはどれくらいを目指すのか。
 
現時点でその質問に答えることは難しい。たとえば、電気自動車を普及させるには、政府や地方自治体との密な連携が不可欠だし、なによりすべての前提として充電設備などのインフラ整備を進めなければならない。つまり、自社の市場シェアを議論する以前に、普及率の予測が困難だ。
 
仮に普及率を予測できたとしても、肝心のライバルがどこにいるのかも、現時点では補足し難い。というのも、電気自動車を「今はやらない」と表明しているメーカーも実は密かに開発を進めていると思うからだ。こうした状況は、トヨタ自動車が1997年にハイブリッド車の初代「プリウス」を発売した頃と似ている。

つまりマーケットの大きさもターゲットも、ベンチマークさえも分からないけど、オレたちはリーダーになるんだ、ということですね。 すばらしい志です。
トヨタからしたら「一緒にすんな」と言いたいでしょうが。

「PI戦争」にも言及しています。

―ところで今回、トヨタ自動車が「プリウス」の値段を下げた。既存のガソリンエンジン車から顧客が離れる、あるいは価格破壊がハイブリッド車を超えて自動車市場全般に広がるなどの影響も出てくるのではないか。
 
自分たちがマーケットリーダーであるセグメントに、2位メーカーが勝負をかけてきた場合、そのライバル企業を一気にポンと跳ね飛ばす、あるいは牽制するといった作戦はマーケティングの基本であり、常套手段だ。
 
いわずもがなだが、この分野において、トヨタには先行者利益がある。230万円ならば参入できたが、205万円なら難しい――錯覚かもしれないが、少なくともライバルにそう思わせるのはたいしたものだ。

つまり日産はそう思ってしまった訳ですね。

ただ、ある1社がイメージを作っている時に、他社が入ってくれば、いずれにせよ、価格破壊は起きるものだ。今後もあの値段のハイブリッド車は相次いで出てくるだろうし、それは少しも悪いことだとは思わない。需要も喚起されるわけで、当社にとってマイナスであるとは捉えていない。
 
―さすがに、200万円の電気自動車は無理か。
 
確かに、200万円の電気自動車は、今の段階では非現実的だ。(中略)
 
質問への直接的な答えにはならないが、言いたいのは、「ハブリッド車vs電気自動車」ではないということだ。ハイブリッド車はあくまでも内燃機関の延長線上にある。電気自動車はまったく違うものだと言いたい。

自分が知りたいのは、「なぜ日産はこんなにEVに傾倒することになったのか」の理由です。

欧州(ルノー)の哲学的な思想からきているのか、それとも技術開発の時間的、資源的制約からきているのか、それとも「ハイブリッドはニッチだ」という発言を繰り返してきたゴーンCEOの嗜好的な理由なのか。

日産が「次はEVだ!」って言い出したのは、そんなに古い話じゃないです。 アナリストからトヨタやホンダに比べて、ハイブリッドやFCVなどの環境技術が遅れていると言われて、株価や格付けが低迷していた頃ですよね。

日産自動車社長・CEO カルロス・ゴーン 「世界初の電気自動車量販メーカー目指す」 | NEWS MAKER | ダイヤモンド・オンライン

長年にわたってクルマは石油に依存し、二酸化炭素を排出するという負のイメージが固定化しています。現在、これが脅威であると考えられています。このイメージは払拭されなければなりません。
 
――日産は、その歴史の転換期の主役になりたいということですか。
 
チャレンジはしてみたい。私が日本に来た1999年は、日産は破綻寸前であり、「技術の日産はどうしたんだ」と言われました。でも、忍耐強く再建し、投資も再開、人材を強化して8年間かけてようやく、ここまで技術力が回復したのです。ここにきて、日産はなにか目に見える成果、意味のあるクルマを出さなくてはなりません。

気持ちはわかるけど、ハイブリッドを見切ったのはリスクが大きすぎたと思うんだけど。

昔、液晶は動画に弱くてテレビに向かないと言われてたんですが、結果的には参入企業の多さによる技術競争の激化でネガの克服と低コスト化が進んで、プラズマなど他の方式を駆逐してしまいました。 いくらポテンシャルがあっても、ユーザーに提示する商品価値を高められなければ、敗退してしまうんですよね。

EV時代はいつかはやってくると思いますが、それが「いつか」が問題なんです。

伊東ホンダ社長「迷うことなく20-30年はハイブリッド」 | Response.

ホンダの伊東孝紳・新社長は13日、メディア関係者との合同インタビューに応じ、環境対応技術の中核と位置づけているハイブリッド車(HV)について、「今後20-30年は4輪車の環境対応の中心となる。もう迷うことなくHVの開発に傾注したい」と語った。

トヨタやホンダは、「内燃機関を積んだクルマは、少なくともあと20~30年はなくならない。つまりその間はハイブリッド技術が必要」と考えています。 そして10年後には全車ハイブリッド化するつもりでしょう。 もちろんEVも出すでしょうが、普及のペースは遅いとみているんでしょう。

トヨタ、ホンダが正しいのか、それとも日産が正しいのか。 審判が下るのはいつでしょうかね?