あるガン患者の「死にざま」

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Dr.中川のがんから死生をみつめる:/31 見習いたい最期の姿 - 毎日jp(毎日新聞)

がんの医者を25年間もやっていますから、多くの患者さんをみとってきました。どんな方の死にも、それぞれのドラマがありますが、先日亡くなった患者さんのことは忘れられません。(中略)
 
別の病院で手術を受けましたが、不幸にも再発。がんが神経を圧迫し、みぞおちに痛みがありました。膵臓がんには、ジェムザールという抗がん剤が特効薬ですが、「(倦怠(けんたい)感などの)副作用が仕事に差し支える可能性がある」と、拒否されました。自ら主治医に放射線治療を提案、東大病院の僕の外来に来たのです。
 
放射線治療で痛みは軽くなりましたが、肝臓への転移が確認されました。がんは転移すると、窓から出て行った小鳥が捕まえられないのと同じように、治癒はほぼ不可能です。ご本人もそのことは知っていました。

膵臓がんにはジェムザール(ゲムシタビン)という薬があるのですね。

膵がんは全身病と考え、ジェムザール単剤による化学療法が間違いのない選択:がんサポート情報センター

膵がんは手術ができれば治癒が望める。
しかし、どうしても発見が遅れ、手術のできない状態で発見されるケースが多い。
では、そうした手術のできない進行臓がんに治療法はないのだろうか。
ここに登場してきたのがジェムザール(一般名ゲムシタビン)という抗がん剤だ。
闇のような世界だった進行膵がんの治療に、大きな光をもたらした薬だが、これを凌駕するものはいまだに現れていない。

でも良く効くクスリは副作用も強いからね。


ところで、元の記事に戻りますが、

「腫瘍(しゅよう)マーカー(がんによって作られる血液中の物質)の上昇が緩やかになっただけで、女房がすごく喜ぶんです。来年までもたないかもしれない、なんていうと、『そんなこと言わないで』って泣くんです。女房のことを考えると、少しでも頑張らなきゃなって思います。女房をがっかりさせたくはないんです」
 
彼は、自分の死を恐れるのではなく、家族や友人が、自分の死を嘆くことを恐れていました。そして、亡くなる前日まで自宅で過ごし、まだ小学生のお子さん、一人一人とお話をして、来客とも会われたそうです。翌朝、容体が急変し、救急車で東大病院まで搬送され、そのまま亡くなりました。

この亡くなられた患者さんというのは、ACCESSの荒川亨会長のことだろうと思います。


死の恐怖と一人で向き合い、痛みをおして普通に仕事や生活をして逝く。 まことに天晴れ、男子の本懐というべきなのかもしれません。

でも奥さんや子供のことを考えるのなら、仕事をセーブしてでも健康に気をつけるべきだったのではないのかなとも思います。 もちろん健康マニアでもあっけなく死んでしまうことだってあるし、ヘビースモーカーでも長生きする人はいるので、単にその人の寿命ってことなんでしょうが。

自分も運命論者で、「持って生まれたエネルギーを使い切ったら死ぬのだろう」と考えていますが、やっぱり「親より先には死ねないな」とか「親父が早世したから、ムリしないようにしよう」とも思います。
残される人のことを思うのなら、男子としての欲望を抑えてでも、長生きした方がいいと思いますよ。 ガンになってからでは遅いです。