実現不可能な計画ほど、好都合なものはない

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

八ツ場ダムのムダとは、何だったのか?:日経ビジネスオンライン

他方ではこんな問題もある。実は、利根川水系の現行計画に従えば、河道整備では下流部において大規模な浚渫が必要だ。利根川本川では6000万立方メートル超、江戸川でも約600万立方メートルの掘削が必要とされる。ところが、残土の仮置き場などの制約を考えると、年間80万立方メートルほどしか処理できない。すべて終えるには100年近くかかる計算である。前述したように、この先どれほどの費用が必要かも分からない。
 
こうしたことを踏まえると、現行の治水計画は不確実な前提の下に作られた気宇壮大な“大風呂敷”と言うことができる。同じようなことは全国のほかの河川についても言える。そして、それに基づいたダム計画は国土交通省が現在予算化しているものだけで、八ツ場ダムはじめ全国に136も存在する。

「机上の空論」を元に実現不可能な計画を立てて、それを実行しようとしている訳ですね。 いつまでたっても完了しないというのは、土建業者にとってはこんなにいいことはありません。 役人にとっても、計画途中なら責任をとらなくていいですからね。

1947年と現在とでは、治水対策もある程度進んだと思うのですが、いまカスリーン台風が来たらどの程度の被害になるんでしょうね? 普通の台風でも毎年被害が出ていることを考えると、被害にも許容範囲というのがあるのだと思います。 その範囲に収めるのに、どうすればいいかでしょう。
また「200年に1度」は諦めて、「100年に1度」とか「50年に1度」レベルに対応できればいいと妥協するのも一つの考え方ですね。