アサヒビール社員は、社長を男にするために働いている

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なぜアサヒビールの社員は1%も辞めないのか | 新・会社論

レベリング氏が「あなたのモチベーションとは何ですか」と質問をすると、ある営業マンは「私は社長を男にしたいと思っています」と発言。咄嗟には通訳も訳せず、なんとか説明して意味を理解したという。「社長を男にしたい」とは、まさに経営者と社員の信頼関係を象徴する日本的表現である。入賞したベスト25社の中でもとりわけ同社の社員が認識しているステートメントは「この会社で働いていることを、胸を張って人に言える」だった。
 
同社の丸山高見・執行役員人事部長は「当社はよく体育会的と言われますが、誠実で熱い人間が多く、集団になるとすごい力を発揮してくれる。それから愛社精神が非常に強い。調査をすると会社と経営者に対する信頼感が図抜けて高い。社員自身、経営者が自分たちのことを大事にしてくれていると感じていることが大きい」と指摘する。会社と社員の信頼の絆を示す指標の一つが退職率であるが、同社の過去1年間の自発的退職率は0.9%と極めて低い。

自分はみんなが右を向くなら左を向きたいタイプなので、間違ってこういう会社に入ってしまったら、「うつ」になるか会社を辞めるでしょうね。

その愛社精神の秘密はというと、

その一つが数十年続いている先輩と後輩の“熱い紐帯”を醸成する「ブラザー(シスター)制度」だ。同社の新入社員は4月の導入研修後に現場に仮配属され、9月の正式配属までにOJTを受ける。
 
その間に新入社員1人に先般社員1人が「ブラザー」として張り付き、公私にわたり面倒を見る。ブラザーになる社員は公募で選ばれ、仮配属までの期間にリスニングなど新入社員対応プログラムを学習して臨む。もちろん、ブラザーも自分の仕事を抱えながら面倒を見ることになるが、応募者は多いという。
 
「ブラザー自身も先輩に教えられ、勇気づけられた経験を持っており、やりがいを感じて応募します。期間中はブラザーが責任を持って研修の手配も行い、自分の教え子なのでしっかり教えてくれとブラザーが窓口となって他の部門に依頼します。新入社員がいつもどんな状況にあるか日誌なども全部見て常にチェックし、何でも聞ける兄貴的存在になります」(丸山人事部長)
 
ブラザーは入社3年目から40歳ぐらいと幅広い。担当するのは4カ月ほどであるが、そこで培われたつながりは一生のつきあいに発展するという。

「社員は先輩の真似をして育ちます。私自身、先輩にさんざん世話になったし、つきあいは今でも続いています。会社が好きなのは、人間集団が好きということでもあります。いつも先輩、同僚、後輩の顔が浮かんできますし、彼らに大変世話になりながら経験を積みました。その原点がブラザー制度なのです」(丸山人事部長)

はぁ~。 濃いねぇ。 ホント、体育会系の人ならピッタリじゃないのかな。 自分は帰宅部だったのでパスですが。

でも職場でこれと似たようなことを考えたことがあります。 機械設計の仕事は一人前になるまで5年、10年かかるので、ベテランと新人のペアで仕事をさせたらどうかと。 自分はこれを「徒弟制度」と呼んでいましたが。

「目上の人を上手に使える人間こそ伸びると思っています。若い管理職に常に言っているのは、ものの言い方に気をつけろ、年上というのは絶対的価値であり、君たちは業務の遂行能力などで評価されたかもしれないが、人間の価値とは別に何も関係ないと。年上の部下に対しても、もちろん言いたいことは言わないといけないが、丁寧に接してモチベーションを上げて、一緒にやってもらうような状況をつくる人間が上位に進めると言っています」(丸山人事部長)(中略)
 
会社や経営者に対する社員の信頼や一体感醸成の要となるのが管理職だ。同社が最も力を入れているのは管理職を中心とする幹部社員の教育である。その一つが部下育成の評価への反映。管理職層の評価は業績評価と行動評価の2つであるが、ライン長の行動評価は「部下の労務・健康管理」「チームワーク・結束」と並んで「人材育成」を重要な評価項目に掲げている。同社では部下育成は「上司の最大のミッションであり、部下育成ができない人間は管理職としてだめだ、ということを発信し続けている」(丸山人事部長)。

これは本当にそう思いますね。 管理職という「役割」だからといって、人として偉い訳ではないですから。 もっとも、逆に相手が年下だからといって、横柄に扱っていいという訳でもありませんが。