豊田社長 「量の拡大追いトヨタ生産方式を外れた」

量の拡大追いトヨタ生産方式を外れた=豊田社長 | Reuters

豊田社長は一昨年までの世界好景気のなかで、販売金融をてこに実需以上の販売行ったとして、「トヨタ生産方式を自ら破った」とし、「生産拡大のペースに対して、品質の作り込みに必要で時間がかかる人材育成が十分でなかった」との認識を示した。また規模拡大に対して顧客の声をリコールや研究開発に生かす体制も十分でなかったとして、社長が責任者を兼務する品質特別委員会の設置を表明した。

そんなことは、ずいぶん前から認識されていたハズなんですよね。 でも「世界一」に手が届く位置まで来ていたし、歯止めが利かなかったのでしょう。
時間が解決してくれると思ったのかもしれませんが、結局はそのツケを払うことになってしまった訳です。

この会見では、今後の具体策についても出たようです。

Car Watch トヨタ、「ブレーキ・オーバーライド・システム」を全車に搭載

さらに具体的な改善策として「今後発売する全車に、順次BOS(ブレーキ・オーバーライド・システム)を装着」すること、また「EDR(イベント・データ・レコーダー)をより積極的に活用」することが発表された。
 
BOSは、アクセルとブレーキが同時に踏まれた際に、ブレーキの動作を優先するシステム。フロアマットによる暴走事故では、ブレーキを踏むなどの動作をしても速度が落ちなかったとされており、BOSがあれば防げたのではないかと言う議論があった。フォルクスワーゲン・グループなど、多くのメーカーがすでに採用している。
 
ただし、すでに販売した車両への装備は「検討中」(豊田社長)。これまで採用してこなかったBOSの搭載を決めたのは「BOSは必ずしも全知全能ではない。BOSはそもそも電子スロットルをコントロールする仕組み。電子スロットルシステムが開く側にフェールすると、BOSも意味がなくなる。しかし電子スロットルは閉める側にフェールするようになっているので、電子スロットルに関してはBOSがなくても大丈夫と考えた。しかし、フロアマットなどでアクセルペダルが戻らないような状態なら、BOSが電子スロットルを強制的に閉じるのでBOSが有効。ペダル自身をちゃんとするとか、マットをちゃんと敷いてもらうというのが真の対策と考えてやってきたが、我々の調査能力では、すべての予期せぬ加速現象の原因などを、まだ説明できていない。それには大変な労力や時間がかかるので、お客様のご懸念を軽減するため、BOSを搭載する」(佐々木副社長)とした。
 
EDRはこれまでの車両にも搭載されており、警察や監督官庁から指示があれば、顧客の了解を得て、内容を読み出して原因究明に活用していた。個人情報保護の観点などから、自主的にEDRを読み出すことはしていなかったが、今後は指示なくとも読み出し「技術解析力を上げ、意思決定を早くする」と言う。

BOSは法律で搭載を義務付けるべきです。 EDRの搭載義務化も前倒しを検討するべきだと思います。