トヨタの何が問題になっているのか?

トヨタの何が問題になっているのか?:日経ビジネスオンライン

トヨタの一件については米政府の陰謀説まで囁かれているが、果たしてどうだろう。GM株の約60%を握る米政府だから、ライバルであるトヨタを蹴落とそうという目論見もゼロではないかもしれない。しかし、過去に米国で起きた自動車の安全性にかかわる問題では、論点はつねに明確だった。「自動車メーカーが最善の努力をしたかどうか」である。
 
米国では誰でも自動車を製造し販売できる。日本のように自動車の製造・輸入および販売を国が「認可する」という事前認証制度はない。どのような自動車を販売すれば良いかは「FMVSS(連邦自動車安全基準)」に記されている。しかし、NHTSAがたまに抜き打ちテストをやる。もし、FMVSSに違反していた場合にはペナルティーが課せられ、社会的な制裁を受ける。ただし、悪意のない設計・製造ミスはリコール制度を適用して社会的混乱を未然に防ぐ。そういう国である。
 
米国での疑惑的リコールや重大な欠陥車事件では、「他社がこういう安全策を採用していたのに、なぜあなたは同様の策を採らなかったのか」が論点になったことは多い。同時に「ほかにもっと設計良い方法があることを知っていたかどうか」も論点になる。しかも、トヨタのような大企業には「相当な情報収集能力がある」という前提で話が進む。一度でも「性悪説」側に判断されると取り返しがつかなくなる。それが恐ろしい。

純粋に技術論で済む段階には既にないですからね。 トヨタにしたらボタンの掛け違えなのでしょうが、気が付いたときには米国は既に沸騰していたという。 ただ「相手が何に怒っているのか」に鈍感だったのは確かでしょう。 一つの原因ではなく、いろんなことが悪い方に重なって、今回の雪ダルマ式に大きな問題に発展していったのだと思います。 それを一言でいえば「体質」ということになるのかな。