「誰に何を謝るか」の視点が抜けていたトヨタの会見

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トヨタの“ブレーキ問題”が、ここまで拡大したワケ(Business Media 誠) - Yahoo!ニュース

プリウスのブレーキの利きに対する疑念が急浮上した際のトヨタの対応を見てみよう。2月3日、国土交通相を訪ねた同社の佐々木眞一副社長は、詰め寄る記者団に対し、「特殊な走行状況での運転者のフィーリングの問題」との主旨の説明に終始した。翌日、マスコミ向け説明会に出席した横山裕行常務もハイブリッド車特有のブレーキシステムの詳細に触れたあと、「ブレーキを踏み増せばブレーキは利く」との説明を繰り返した。
 
クルマ専門Webサイトや自動車評論家らのブログを読む限り、クルマの構造に詳しい専門家らは、一応説明に納得したようだった。が、大多数の記者、そして記者を介してトヨタの説明を聞いた消費者は納得していなかったのだ。プリウスに関しては、多数の苦情が寄せられていた。加えて、直接の因果関係は証明できなかったものの、実際にプリウスが絡んだ追突事故も発生していた。しかし、トヨタのとった対応は、「技術面での説明と役所との関係に主眼を置いたものに終始した」(大手紙記者)のだ。
 
不具合対応で済ますか、はたまた大規模なリコールの措置を施すのか。この時点でトヨタは企業戦略上の岐路に立たされていたわけだが、「世界中のトヨタユーザーに不安を感じさせたことを真っ先に謝るという、基本中の基本がすっぽりと抜けていた」(先のコンサルタント筋)と言えよう。この後、豊田章男社長が謝罪会見に登場して頭を下げたが、「記者や消費者の不信感は払拭できず、企業の危機対応としては0点」(別のコンサルタント筋)と散々の評判だったのは言うまでもない。

「リコールするかどうか」や「公聴会に出るかどうか」という問いに対して、トヨタは初期に「保安基準に照らして判断」とか「召還されれば行く」と答えた訳です。

明文化された決まりに従うというのは、最低限やらなければならない行為であって、ステークホルダーの期待を満たすには程遠いものです。
おまけに「雇用のために現地メーカーから調達している」とか「ユーザーの感覚の問題」なんて神経を逆なですることを言ったら、そりゃ0点でしょうな。

でも呼ばれてもいない中国に、米国から直行して謝罪に行ったというところは、ちゃんと「カイゼン」されているみたいですよ。