オキシトシン投与で自閉症患者の症状改善

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自閉症:オキシトシン投与で知的障害者の症状改善 金沢大 - 毎日jp(毎日新聞)

オキシトシンは出産時に大量に分泌され、子宮や乳腺の収縮などに作用、陣痛促進剤などとして使われている。他者を認識したり、愛着を感じる機能に関係するとの研究結果も最近出され、知能の高い自閉症のアスペルガー症候群で効果が実証されたとの報告もある。
 
この報告を知った、同センターに通院する20代の男性患者の両親が、08年にオキシトシンの点鼻薬を輸入し、数カ月服用したところ、(1)主治医の目を見て話す(2)対話で笑顔を浮かべる(3)IQテストが受けられるようになる--など症状が改善。10カ月間投与し改善状態の持続も確認した。
 
男性は3歳で自閉症と診断され、服用前は他者と目を合わせず、質問におうむ返しの反応しかできなかった。

金沢大・子どものこころ発達研究センターが服用させた訳ではなくて、両親が個人輸入した薬で効果があったというのが面白いですね。

とはいえ、必ずしもすべての自閉症患者で効果があるとは限りません。

信頼のホルモン オキシトシン

オキシトシンはたった9個のアミノ酸からできたペプチド(小さなタンパク質分子)で,信号を伝える神経伝達物質として働いている。また血中に漏れ出して脳と離れた組織にも影響を及ぼすので,ホルモンでもある。オキシトシンが果たす役割としては,授乳期の女性に母乳の分泌を促すことと,陣痛の誘発が最もよく知られている。その他の微妙な効果は検出しにくかったが,動物を対象にした研究から,ある種の動物ではオキシトシンが何らかの仕組みで協力を助長していることがわかっていた。(中略)
 
私たちの研究室は現在,脳でのオキシトシンの働きが損なわれることが社会的相互作用の不全を特徴とする疾患に関係しているかどうかを精力的に調べている。例えば自閉症の人はオキシトシン濃度が低いが,通常の濃度に戻しても社会行動への参加はまったく増えない。オキシトシン受容体の機能不全を抱えているのかもしれない。

それでも副作用が無視できるレベルなら、試してみたいと思うでしょうね。