40年前勤務で中皮腫に ホンダに5400万円賠償判決

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アスベスト:ホンダ「石綿」5400万円賠償命令 40年前勤務で中皮腫--東京地裁 - 毎日jp(毎日新聞)

約40年前にホンダ子会社の工場で働いていた元整備士が、作業中にアスベスト(石綿)を吸って中皮腫になったとしてホンダに約9600万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は1日、約5400万円の支払いを命じた。松本光一郎裁判長は「1960年ごろまでには石綿の危険性が広く知られていた。ホンダのような大企業はその危険を認識すべきだった」と指摘した。ホンダ側は控訴する方針。
 
原告側代理人によると、石綿被害を巡り自動車メーカーの賠償責任を認めた司法判断は極めて異例という。
 
訴えたのは岐阜県高山市の羽根英成さん(61)。68年4月にホンダ・エス・エフ中部(当時名古屋市、98年にホンダに吸収合併)に入社。エアガンでブレーキドラム内の粉じんを吹き飛ばす作業などを行い、69年12月に退職。07年に悪性中皮腫が見つかり労災認定された。
 
松本裁判長は「工場退職後は石綿の粉じんにさらされる環境にはなかった」として工場勤務と中皮腫発症の因果関係を認定。ホンダから指導員らが出向していたことを踏まえ、「工場は危険性を認識できたのに、十分な床清掃やマスク支給をしないなど粉じんの発散防止・抑制の義務を怠った」と判断した。
 
判決後に会見した羽根さんは「ホンダはOBに健康診断を呼びかけ、異常が判明した場合には救済をしてほしい」などと訴えた。

「1960年ごろまでには石綿の危険性が広く知られていた」ということですが、米国科学アカデミーの国際会議で石綿ばく露で中皮腫・肺がん発症を警告する勧告が出されたのは1964年だそうです。
日本では1971年に、特定科学物質等障害予防規則で、健康被害を防止するために石綿等の取り扱いを規制されましたが、青石綿と茶石綿の製造・使用が禁止されたのは1995年。 原則全面禁止は2004年です。

国がほんの数年前まで無策で放置していたものを、企業には「40年前に予見できた」といって責任を認めるのはムリがあり過ぎると思いますけどね。 40年前のホンダは、今のような大企業ではないし。