東芝西田会長、PC事業を語る

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【PC Watch】 東芝西田厚聰会長、PC事業に関する特別講演 ~IBMのPC事業買収を断念した経緯についても言及

最後に、西田会長は、「PC事業の経験が、企業経営の中に生かされている」と前置きし、「技術革新が早く、コストを大幅に改善した製品が出てくるPC事業においては、スピードが大切である。企業経営においては、決断力や実行力が大切だという人もいる。それはそれで正しいだろう。しかし、私はその前の判断力が大切であると考えている。判断は限られた時間、限られた情報の中で行なう必要がある。しかも、過去の経験が通用しない。100%の情報を待って、正しい判断を求めると失敗にしかならない。70~80%という段階でも、最適な判断をすることを心がけなくてはならない。最適な判断が間違っていたら軌道修正をすればいい。これも大切なことである。もう1つ重要なのは、勇気を持って判断、決断、実行する『勇断力』である。そして、変化に対応し、自らも変わっていく『応変力』も必要である」と企業経営においても、PC事業の感覚を持ち込むことの重要性に触れた。
 
そして、「『備えあれば憂いなし』という言葉があるが、本来はその前に、『安きを居りて、危うきを思い』という言葉がある。つまり、上手くいっているからといって安心してはいけないということが大切であり、そのために準備を怠るなということである。PC事業は、イノベーションのたゆまぬ創出が成長の原動力になっている。過去の25年の成功に安住するのではなく、世界に先駆けてイノベーションを起こしていくPC事業でありたい」と締めくくった。

HD DVDの発売から撤退、そしてブルーレイ発売という一連の出来事は、西田氏がトップにあったからこそ起こったことかもしれませんね。