「数合わせ」で「邪道」の大連立は、行き詰まり打開の道か?

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記者の目:政治の行き詰まり、打開の道=中川佳昭(政治部) - 毎日jp(毎日新聞)

大連立は「数合わせ」にすぎず、巨大与党すぎて「大政翼賛会」になるとの批判が根強くある。もし、民主、自民両党が連立を組めば、衆院で88%、参院で78%が与党になり、国会での法案審議は完全に形骸化する。政権交代可能な2大政党を育むことを目指した衆院小選挙区制の趣旨からも外れる。
 
しかし、このまま民主党の成熟を待っているだけでは、与野党とも国政に対する責任を果たせない。90年代以降の政治改革の流れを踏まえれば、大連立は「邪道」かもしれないが、途方もない額に膨らんだ財政赤字の処理策や、急変する北東アジア情勢に合わせた外交・安全保障政策の立て直しは待ったなしの課題だ。(中略)
 
菅首相が大連立を提唱すれば、小沢氏は面白くないだろう。小沢氏は福田氏に「今のままの民主党では政権を取ってもすぐ潰れる」と言って、大連立を推進した。その大連立に反対したのが他ならぬ菅氏らだったからだ。小沢氏は今の民主党の政権担当能力のお粗末さを予言していたわけだが、ここで小沢氏は「うらみつらみ」を表に出すべきではない。大人の度量を示して静かに見守るべきだと思う。

自分自身も反省しますが、「政権交代」すれば安倍以降の不甲斐ない自民党政治から開放されると思っていた人は多いと思います。 でも現実はもっとドイヒーな状況になっている訳です。
同じように「大連立」でこの状況が解決されると思っている人も(特にマスコミに)多いようですが、そんなわけないと思いますよ。

こんなことも書いています。

現時点の状況では、来年1月召集の通常国会も臨時国会と同じになる。首相が状況を打開するには、(1)大連立による政局の安定(2)衆院解散・総選挙(3)内閣総辞職--の三つがあるが、衆院解散は当面見送るべきだ。民主党、自民党ともに選挙での圧勝は期待できず、衆参ねじれの解消にはなりそうにないからだ。国民も自民党中心政権に戻そうとは考えていないだろう。時限的な「大連立」によって、消費税率の引き上げと「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への参加問題に道筋をつけたうえで、国民の信を問えばいいのではないか。

「頻繁に首相を変えるべきでない」もそうですが、「衆院解散で政治空白を作るべきでない」というのがマスコミおよび世論一般の大勢のようですが、これまたバカじゃないかと思いますね。

無能な首相が居座る方がよっぽど害が大きいし、ねじれ国会で法案が通らない状況こそが「政治空白」そのものではないですか?
遠慮しないで、年に2回くらい内閣総辞職して衆院解散しちゃえばいいんだよ。 自民党も民主党も「衆院での圧倒的多数」という「毒」を飲んでしまったので身動きがどれなくなってしまった訳で、行き詰まったら信を問うのが一番の解毒剤なのにね。