ヘンリー・フォードの功績は、労働者への利益還元と需要創出

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不況期こそ経営者は「先義後利」を胸に刻め | 実践ビジネススクール

ヘンリー・フォードは、T型フォードで有名だが、その組み立て工程にベルトコンベヤを導入し、流れ作業を実現した。製品や部品を標準化して、大量のクルマを迅速に生産できる高効率の工場を実現した。それにより生産コストは劇的に低下し、価格は大幅に下がった。(中略)
 
だが、ここで、ヘンリー・フォードから学びたいのは、その生産方式の話ではない。彼がその当時、そうした生産方式を自社に導入したいと考えたそもそもの「思い」のほうである。彼はみずから、「企業の目的は大衆への奉仕だ」と宣言した。そして、大量生産の仕組みの導入と同時に、工場で働く人々の収入を上げたいと考えた。(中略)
 
フォードは、「企業は大衆のために」を唱え、工場の革新を、働き手の高賃金と余暇と価格低下へと置き換え、大きいクルマ需要をつくり出した。庶民の間には、クルマへの憧れも自然に生まれた。図は、「フォードの思いのサイクル」だが、それが動き始めてアメリカは豊かなクルマ社会へと変貌する。
 
さて、そのヘンリー・フォード。現代に生きていれば、わが国クルマ業界の現実をどう見るだろう。「サイクルが逆に回っている」と言わないだろうか。
 
正規社員を切り賃金を削って、みずから若者の購買力を低下させ、いつしか若者の特権である「クルマへの憧れ」も消してしまったのが現代の業界だ。

自動車会社の新入社員であっても、寮に入っていなければクルマなんて買えないです。
若者のクルマ離れを嘆くなら、「隗より始めよ」ですね。