フィアット本社の米国移設は、イタリア流ガラパゴスへの踏み絵

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
  • ハッシュタグ:

大矢アキオの『ヴェローチェ!』…フィアット本社消滅? (レスポンス) - Yahoo!ニュース

イタリア人は、どんな形であれ国内ブランドが海外に“流出”してしまうことに敏感だ。1970年代にパスタメーカーのバリッラ社が約9年間にわたり米国企業の傘下にあったことは同社にとって失意の時代とされている。同じパスタメーカーのブイトーニに関してもしかりだ。イタリア人は現在同社がネスレの傘下にあることを、ちょっとした失望とともに話す。2輪メーカーのドゥカティにしても、90年代後半に米国資本が投入されていた時代は、同様に苦難の時代の扱いをする。
 
フィアットの創業家であるアニエッリ家も、外資のイタリア上陸を嫌ってきた。とくにフォードとの対決は歴史的だった。草創期には創業一世がフォード・イタリア工場の進出を阻止し、創業3世は1960年代にフェラーリ、1980年代にアルファロメオの買収をフォードが試みると、それらを傘下に収めることで対抗した。ちなみに1990年にフィアットが買収したインノチェンティも、ダイハツのイタリア進出を阻むためだったとの説がある。(中略)
 
マルキオンネが描く「世界本社体制」という新時代のセンスに追いついてゆけない背景には、こうした外資不在体制に慣れてしまったことがあろう。今回のマルキオンネ発言をイタリアが受け入れられるか否かは、いわばイタリア流ガラパゴス状態から脱出できるかどうかの踏み絵かもしれない。

ブイトーニがネスレ傘下になったのは、本当に残念なことでした。
今はバリッラ社の1.7mmを愛用しています。