首都圏住民は積極的に放射能を摂取しよう!

asahi.com(朝日新聞社):摂取制限でも「健康に害ない」 あいまい対応に批判も - 政治

菅直人首相は23日、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質が検出された農産品について、異例の摂取制限の指示に踏み切った。対象農産品の安全性を強調するのはこれまで通りだが、21日に出した「出荷停止」より一段厳しい規制をかけた。だが、こうした対応ぶりが、風評被害を助長するとの批判が野党などから出ている。
 
首相が摂取制限の指示に踏み切ったのは、福島第一原子力発電所で放射性物質の放出が止まる具体的なメドが立たないからだ。
 
枝野幸男官房長官は23日の記者会見で「一時的に食用に供されたとしても、健康に害を与えるものではない。しかしながらこうした状況が今後、長期にわたって継続することが想定され、念のために早い段階から指示した」と説明。規制値を超えてもすぐに健康被害はないとする従来の政府見解は崩さず、原発事故が当面は収束しない可能性を見据えた「念のための措置」であることを強調した。

自分は昔からたばこを吸いませんが、それはその(健康上、費用上の)コストに対して何もメリットを感じられないからです。
自分は毎日、第3のビール350ml缶を1本飲みます。 それはコストがリーズナブルで、美味しい、気持よく酔えるというメリットがあるからです。

自分はコストコで売っている米国産牛肉が好きです。 他のスーパーで売っている豪州産の牛肉よりも美味しく、その上値段も安いです。 BSEのリスクはゼロではありませんが、危険部位は取り除かれています。 BSEになるよりは、他の病気(癌、脳卒中、心筋梗塞など)に罹って死ぬ確率の方がずっと高そうです。

バイクを運転していても、メリット(前に遅い車がいて抜きたい、渋滞している)があるときはすり抜けをしますが、そうでない場合(それほど急いでいない、途中で信号が変わりそう)なときはやりません。 コスト(安全上のリスク)に見合わないからです。


さて、原子力発電所(原発)です。

自分は原発はキライです。
原子力発電って、ものすごく高度な技術を使って、ものすごく原始的なやり方で電気を作っているんですよね。

だって、放射性物質の崩壊熱で蒸気を作って、それでタービン回して発電しているんですよ!? やってることは蒸気機関の昔から変わっていません。
もっと「原子から過剰電子を取り出して発電」みたいな仕組みかと思っていたので、高校生の頃にこれを知ったときは愕然としました。
それに比べれば、太陽電池や燃料電池のほうが、原理的にはよっぽどハイテクです。

それに「原発はCO2を出さない」と言いますが、膨大な熱量を海に放出しています。

原子力発電 - Wikipedia

タービンを回す蒸気が原子力発電所では約284度、6.8MPa[1]であり、石炭火力発電所の蒸気の約600度、25MPa[1]よりも温度、圧力が低く設計されている。この理由は、核燃料棒の被覆に使われているジルコニウムが比較的高温に弱いために[2]一次冷却水を高温には出来ないためである。また、火力発電所では超臨界流体である超臨界蒸気が使用されている。超臨界流体とは、液体の性質と気体の性質を持った非常に濃厚な蒸気であり、熱を効率良く運ぶことが出来るが高温高圧状態が必要なため、原子力発電ではこれを利用することは現在は出来ない。これらの理由から一般的な火力発電所の熱効率は約47%程度[3]であるのに対し、21世紀初頭現在の原子力発電における熱効率は約30%程度である[4]。尚、冷却材に超臨界流体である超臨界圧軽水を用いた超臨界圧軽水冷却炉が現在研究中であり、これを原子力発電に用いれば熱効率は45%程度まで上昇すると考えられている[5]。

熱効率が約30%なんて自動車エンジン並です。
もちろん火力発電でも(熱効率が高いぶんだけ少ないですが)熱排水は出ます。 「だから原発の方がいい」ではなくて、「どちらも良くない」と思います。
ようするに、「技術的にエレガントじゃない」からキライなのだと思います。 スジが悪い技術は、いくらやってもダメですから。

さらに、万一チェルノブイリのような爆発事故が発生すれば、周囲の地域は数十年は「不毛の地」となり、深刻な健康被害が発生します。
技術は人間が考えるもので、その人間にミスはつきものですから、「間違いのない技術」というのは存在しません。
たった1回のミスで回復不可能なダメージを受けるかもしれない、というのは許容できるコストと言えるのか?
福島原発から避難してきた人に向かって、「運が悪かったですね。でもこれも原発の運用コストの一つと考えましょう」なんて言えないでしょう?


首都圏に電力を供給するために建設された原発で事故が起き、東電管轄外の福島県を中心に被害が起きました。
原発はキライですが首都圏の住民の一人として、原発を黙認しその電力を享受してきたのは事実です。
その報いは受けなければなりません。

投資を回収できるとは思えませんが、太陽光発電を設置するのは一戸建てに住む者としては義務でしょう。
福島県産のほうれん草や牛乳などで、基準値を上回る放射能が検出されていますが、首都圏の住民は積極的に食べるべきです。 ほうれん草は「おひたしにすれば大丈夫」らしいですから心配いりません。
スーパーで野菜の産地に「福島県産」と書いてあったら、積極的に買いましょう。
享受したメリットに見合うコストを負担しましょう。