新型デミオ、空力改善は「加速時の気持よさ」のために

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【マツダ デミオSKYACTIV 発表】空力は燃費のためじゃありません | レスポンス (ニューモデル、新型車のニュース)

アンダーフロアを樹脂製のパネルで覆いフラットボトム化を図り、タイヤの前にはディフレクター(ストレーキ)と呼ぶ整流板、リヤゲートにはスポイラーも装備。ここまでやってCd値0.29。これは200万円以上するドイツのクルマではなく、100万円台前半の国産コンパクト、Cセグメントでの話だ。
 
しかし10・15モード燃費では空気抵抗軽減の効果はそれほど大きくはないはず。60km/h以上の速度域では効果が大きいことを考えると、高速巡航時の燃費性能には大きな効果がありそうだが、そこが狙いなのだろうか。
 
デミオ開発担当主査の水野成夫氏に訊いたところ、意外な答えが帰ってきた。「空力は燃費のためじゃなく、“伸び感”の向上を狙ったんです」。
 
高速道路を利用して、インターチェンジから本線に合流する時のことをイメージしてほしい。加速車線でアクセルを踏んで加速していくと、最初は強い加速感が感じられるが徐々に弱まり、実際の車速の上昇も鈍ってくる。これは速度が上昇するほどに空気抵抗が増していくのも大きな原因なのである。
 
「パワーのあるクルマなら強引に加速していくこともできますが、燃費性能も重視したコンパクトカーでは難しい。でも加速の伸び感は、クルマを運転している中で非常に気持ちのいい感覚なんですね。それを実現すべく空力を追求したんです」

でも空力でも0.5km/Lくらいは向上するもんだよ。 モード試験であってもね。

CD値は各社とも自社風洞での試験値なので、同一条件として比較できないですけどね。 甘めの値を出してくるメーカーもありますし。
それでもMMC前のデミオは0.32でしたし、全長が長くて有利なインサイトが0.28なので頑張ったのではないでしょうか。

【マツダ デミオSKYACTIV 発表】CVT制御をエンジンECUが肩代わり | レスポンス (ニューモデル、新型車のニュース)

せっかくエンジンがこれだけ高効率化を果たしたのだから、トランスミッションもCVTを踏襲するにせよ従来型より高効率な構造を採用できなかったのだろうか。CVTの駆動損失の多さ、トルクコンバーターの容量やロックアップ機構など、改善できそうなポイントはいくつもありそうだ。
 
当然マツダ社内でも検討されていた。「CVTやトルコンは既存のメカニズムを利用しています。効率化を図るうえでは、改善したいポイントはいくつもあって、社内でも何度もそういう話は出たんですが、専用のCVTを開発するわけにはいかない理由があるんですよ」と佐々木氏。
 
その最大の理由はアイシン製のCVTを搭載しているからだ。コストの問題から外部調達となっているため、専用設計のトランスミッションを用意することは難しいとのこと。そこでソフトウェアの方で対応しなければならなくなったが、その開発はかなり大変だった。

海外では多段ATの方が好まれることもあり、日本で主流のCVTはフォードとの協業はできなかったのでしょう。 まあCVTを自製しているのは、トヨタ(アイシン)や、日産(ジヤトコ)、ホンダくらいですから。
それに今後はSKYACTIV-Driveに移行していくんでしょうから、ムダな投資はしたくないですよね。

【マツダ デミオSKYACTIV 発表】バルブの形状にもこだわり | レスポンス (ニューモデル、新型車のニュース)

クランクシャフトのジャーナル部を細くしてピストンリングの張力も低くした。ローラーフォロワー(ロッカーアーム)の採用やカムシャフトのジャーナル部鏡面加工によって内部の慴動抵抗を出来る限り抑えている。さらにカムシャフトのジャーナル部の表面精度が向上したこともあってクリアランスの公差を追い込み、エンジンオイルの無駄な染み出しを抑えたそうだ。
 
オイルの潤滑システム自体も見直され、オイルの通路を短く、出入り口の形状も工夫することによりオイルを圧送する際の抵抗を3割近く低減させている。これによって、オイルポンプの容量を約1割小さくできただけでなく、負荷やエンジン回転数に応じて吐出圧を2段階に制御する可変機構を搭載して、駆動損失を削減することに成功しているという。
 
スパークプラグも従来より細いサイズを採用することで、ヘッド回りの冷却性を確保しやすいものとしている。また、ピストン裏側やコンロッド形状の最適化などで1気筒あたり99gの軽量化もしているが、その一方で吸排気バルブの傘部分の形状は軽量化も考慮しながら空気の流れを計算し、より効率の高い形状を採用しているそうだ。
 
実用域での燃費性能にこだわったエンジンは、最高出力が5400rpmで発生し、5500rpmでレブリミッターが作動するゆえ、バルブスプリングはシングルだ。これは駆動損失の減少とコストダウンにも貢献しているはず。直噴などお金がかかる部分だけでなく、コストを削る部分もしっかりと存在していた。
 
「エンジンの一番キツい状態をモーターで助けるハイブリッドを使うのは、開発する側から言えば非常に楽なんですよ。でもエンジンでやれるところまでやって、その上でエネルギー回生やハイブリッドを上積みしていくのが正しいやり方だと思うんです」(人見パワートレイン開発本部長コスト革新担当補佐)。

マツダはDOHCなんですが、フリクションロスを考えればカムは1本の方が有利だと思うんですけどね。

「ハイブリッドの方が開発はラク」というなら、トヨタから買うなんて言わないで、自社開発でもっと以前に出せたんじゃないかと思いますけどね(笑)。