トヨタ伊地知専務、「2万ドルのクルマで、30万円の粗利が吹っ飛んだ」

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トヨタ伊地知専務、今回の円高がこれまでと異なる理由とは… (レスポンス) - Yahoo!ニュース

伊地知専務は輸出産業として「円高との戦いの歴史で、どこまでも変動に対応していくことが宿命」としながらも、今回の円高が従来と異なる点として「そのスピード」を挙げる。2万ドルのクルマの場合、1年前と比べれ30万円の粗利が吹っ飛んだ計算になることから「1円や10円単位で原価低減しても、為替変動のスピードに対応できない」と嘆く。
 
また、ライバルメーカーのレベルアップがトヨタを苦しめる。「従来の急激な円高では、値上げで粗利は改善できた」。トヨタのライバルは日系自動車メーカーで条件も同じだった。それが韓国のヒュンダイ自動車などが台頭、「品質、コスト、技術力でトヨタに勝るとも劣らない自動車メーカー」の登場によって簡単に値上げできる状況に無い。
 
ただ、伊地知専務は「(安い)労務費など、コストの比較ではヒュンダイ自動車に負ける。(トヨタとしては)圧倒的な技術力で戦うしかない。日本のインフラやサプライヤーの基盤などは、まだ日本が頭一つ抜けている。国内で300万台を生産し、国内のモノづくりを守りながら円高に対応していく」と国内生産を死守する決意を示した。

ここまで来るとボヤキというより悲鳴を上げたくなるのもわかりますね。

以下、伊地知専務語録です。

トヨタ伊地知専務「原価改善に限界なんか無い」 (レスポンス) - Yahoo!ニュース

地知専務は「原価改善の実力は、グロスでは年間で3000億円程度と、これまでもいってきたが、おそらく今期は3000億円をだいぶ超えるレベルまできている」と述べた。その一方で「ネットでは1200億円の効果しかでてこない。この差額は原材料の高騰」と説明した上で、「それを乗り越えて来年も改善していく」と強調した。
 
さらに伊地知専務は「原価改善に限界なんか無い。毎日無駄は発生している。その毎日、無駄が発生するのをきちっと摘み取る、この作業は永遠に続く。工場だって人が変わり、生産台数が変わり、設備が変わると必ず無駄がでる。それを一人ひとりが無駄を省いていく、この活動というのは永遠に続く」と述べた。

で、それがまた円高を生むという悪循環ね。

トヨタ伊地知専務「日本の技術力を守るために労働規制の緩和を」 (レスポンス) - Yahoo!ニュース

トヨタ自動車の伊地知隆彦取締役専務役員は2日、2011年度第1四半期決算会見で日本の六重苦について触れ、「今の労働行政では、若い人たちに充分に働いてもらうことができなくなっている」と述べた。
 
伊地知専務によると、ヒュンダイとトヨタの技術者を比べた場合、個人差はあるものの年間の労働時間がヒュンダイのほうが1000時間も多いそうだ。ということは、10年で1万時間も違ってしまう勘定になる。
 
「私は若い人たちに時間を気にしないで働いてもらう制度を入れてもらえないと、日本のモノづくりは10年後とんでもないことになるのではないかと思う」と伊地知専務は危惧する。
 
もちろん心身の健康が第一であるが、日本の技術力を守っていくためには若いうちから働く時間を十分に与え、さまざまな経験を積ませる必要があるというわけだ。

1000時間多く残業させるくらいなら、正社員の採用を増やしたほうが、若者たちは喜ぶと思います。