北海道ツーリング(4日目)

2011年 8月15日(月)

昨夜テントに戻ってから、夜半に激しい雨音が聞こえた。 なんだか北海道に歓迎されていないような気がする。

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いつも通り6時に起床。 しかし起きてみてギョッとする。 テントの中が濡れているのだ。
どうやらテントの下に敷いてあるブルーシートとの間に雨水が入り込んで、染み出してきたらしい。 雑巾代わりに使っているフキンで拭うが、エアマットにも染みこんでしまった。

昨夜、テントを建てる際に、蚊や虻などがブンブン飛び回っていたのと、日没で暗くなるなかで早く買い出しに行きたかったので、サイドフライを取り付けていなかったのだった。
テントサイトが傾斜しており、上側のブルーシートがテントよりも長く飛び出ていたので、そこに降った雨がテントの下に入り込んだようだ。

毎回サイドフライを付けていたのに、なぜ一番必要なときに限って取り付けていなかったのか。 自然というのは手抜きを見逃さないものだ。

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朝飯はそれぞれ用意したものを食べる。 自分は毎度おなじみカップ麺。 友人Hはおにぎりを雑炊にして食っていた。


このツーリングに出て以来、「今日これからどうしようか?」を考えるのが日課になっている。

しかし困ったことに自分には北海道に何の思い入れもなく、特に行きたいところはないのだった。 それは当初の計画が「函館に一泊したらすぐ帰る」予定になっていたことでもわかるだろう。 北海道に歓迎されなくて当然である。

今まで北海道の地図を買ったことはないし、都市名は知っててもどこにあるのか、どのくらいの距離なのかもわからない。
景色のいいところや、美味しい食べ物があるのは知ってるが、ツーリングよりも観光で来る場所だと思っている。


ではなぜ北海道に来たのか? それはひとえに「経県値を上げるため」である。
「1泊する」という目的は達したので、今日青森に帰ってもいいのだが、Hを置いて帰る訳にもいかない。

それにこのまま帰ってしまっては、北海道の雨に負けたみたいで気分が悪い。 少しは走ってやろうという気になっていた。

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一方、Hには北海道で行きたいところがたくさんあった。 しかし、トラブルで2泊も本州に足止めを喰ってしまった。 8/17に本州に戻ることを考えると、今日と明日の2日間しか使える時間はない。

それに押し掛けのことを考えると、オレに同行してもらわなくてはならない。 いくら「Hの行きたいところに行ってもいいよ」と言われても、自由には決められないというジレンマがあったのだろうと思う。


7時くらいになって、また雨が降りだした。 どうやら雨雲が次々に通過しているらしい。 急いでテントに潜り込む。 横になっているうちにまた眠り込んでしまった。

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8時頃、目が覚めた。 雨はまだポツポツしているが、ほぼ止んだようだ。 Hは靴をテントの中にしまい忘れて濡らしてしまったらしい。 次の雨雲が来るまでにテントを撤収しなければ。

テントの中の荷物を全てまとめて、最後にテントを畳むのだが、その時に降られないことを祈るしかない。 しっかり水滴を拭いたいところだが、今夜も雨かもしれないし、スピード重視で手早く畳む。
幸い、撤収中に降られることもなく、08:55 に出発することができた。

上の建物は、管理棟兼トイレ。 その前が駐車場になっている。 このキャンプ場は無料だが、ゴミは捨てられるし、実によいところだった。


とりあえず、どこへ行くにせよR5を上っていくことになるのだから、長万部まで行ってみようということになった。

その前に、昨夜立ち寄ったセブンイレブンへ行き、ATMでお金を下ろす。 今回は QUICK Payが使えるセルフが少なくて、現金払いが多い。
ちなみに東北ではローソンばかりで、セブンイレブンはあまり見なかった。 北海道ではセブンイレブンの方が目に付いた。

Hが「上磯駅の近くに銭湯の煙突があった」という。 帰宅して調べたら、上磯湯というのがあるらしい。 昨夜気づいていれば、風呂に入れただろうに、残念だった。 09:26 出発。

函館市街までR228で戻り、R5へ。 函館はガソリンが安い。 青森で146円/Lくらいだったのに、137円/Lというところもあった。 まだガスは残っていたが、せっかくなので入れていく。

函館新道は自動車専用道路なので、一般道の赤松街道を進んでいく。
10:17 大沼に出たところでパラパラと降りだしたので、自分だけ合羽を着こむ(Hは着なかった)。 結局、この後に降られることはなかったので杞憂だったようだ。


北海道は流れが速いと聞いていたのだが、R5のペースはイマイチ上がらない。 長万部についたのは 11:43。 函館から100kmちょっとだ。

Hは元々あまり休憩を取らないのだが、今はセルのトラブルもあって尚更ストップし難い状況にある。 次にいつコンビニに寄れるかわからないので、ここでリポDを買っていく。 ついでに薄手の北海道の地図も購入する。 Hは「0円マップ」を持っていたのだが、やはり自分の地図がないと不便でしょうがない。

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ここからどうする? R5を小樽の方に向かうか、R37を室蘭の方へ行くか。

自分は明日(8/16)のホテルの予約をキャンセルしているし、函館よりは青森に泊まりたい。 帰路に東北で2泊する予定だったが、北海道から近い青森に泊まる確率は少ないからだ。

よって可能であれば明日の最終便(19:15)で本州に戻りたかった。 Hは函館のホテルに泊り、翌日のフェリーで大間へ。 Hが来るまで自分は恐山などを観光し、大間のフェリー発着場に迎えに行って一緒に帰るというプランだ。 そうなると、あまり函館から遠くには行けない。 

だが、これにはHが難色を示した。 やはり別行動は不安らしい。
結論が出ないまま、自分の「登別温泉はちょっと入ってみたいかな」という一言で、R37を進むことになった。

12:08 コンビニを出発しようとしたのだが、駐車場が狭くて始動に失敗。 近くの路地に場所を移して、ようやくエンジンが始動した。

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R37は流れもよく、ペースも10km/hくらいアップした。 12:58 道の駅 あぷたに到着。
うに丼とかあって美味そうだったのだが、Hは昨夜買った卵をゆで卵にしたやつを食べるという(自分も1個もらったが)。 ぐるぐるソーセージを買って我慢する。

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いい加減に、今夜どこに泊まるか決めなければならない。

自分が出した条件は、「風呂があって、ジンギスカンが食べられるキャンプ場」。 本当は「ビール工場でジンギスカンが食べたい」と言ったのだが、キャンプ場と温泉に隣接するビール工場なんてあるわけない。

友人Hは支笏湖のほとりにあるラップ・ランド というところを推してきた。
ただ支笏湖まで行くと、明日は函館に戻るだけで終ってしまう。 Hから名前を聞いただけで特に理由はないのだが、今ひとつ信ぴょう性に疑義があったので、自分で携帯で検索してみた。

「キャンプ場 洞爺湖 ジンギスカン」で検索して出てきたのが、グリーンステイ洞爺湖だった。 オートキャンプ場のようだったが、設備は整っていそうだし悪くはなさそう。 購入した地図にも載っていた。 電話してみると「予約しなくてもサイトは空いている」ということだった。
Hに「ココへ行く!」と宣言し、13:46 出発する。

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道の駅 あぷたから洞爺湖へ行くには、少し長万部側に戻って R230で行くのが一番近い。
だが来た道を戻るのもなんなので、R37をもう少し進みR453経由で洞爺湖畔に入ることにした。

道の駅 あぷたからしばらく先に行くと、道沿いに農産物販売所がいくつもあった。 どこも「ゆできび」と看板を出している。 関東の方だと、とうもろこしは7月だが北海道は8月のようだ。
ものすごく寄りたかったのだが、走り始めたばかりだったので諦めた。

14:03 R453を走っていると、「国鉄胆振線跡」という標識が目に付いたので停車した。 後ろに見える昭和新山が隆起したときに、それを避けるために胆振線が新線に変更になったということらしい。 しかし廃線の遺構のようなものは見当たらず。

14:09 道道2号から湖畔に入ると、観光地らしくホテルやお店がたくさんある。 賑わっているようだ。 ジンギスカンのお店もあって、キャンプ用の肉も販売しているようだった。

14:13 洞爺湖温泉の洞爺サンパレスの手前に、湖畔に面した芝生公園があった。 テントを立てている人もいたからキャンプ可能なのだろう。 クルマの音がちょっと気になるかもしれないが、グリーンステイ洞爺湖がイマイチならここでもいいかもしれない。 温泉はサンパレスに借りればいいしね。

洞爺湖温泉郷を過ぎ、R230に入って3kmほど進んだところにグリーンステイ洞爺湖への入り口を発見。 14:27 到着。

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キャンプツーリングでは、オートキャンプ場は避けたいところだが、致し方ない。 施設のわりに2輪は安めの価格だったし、ここに決める。

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バイク用に指定されたサイトに行ってみたが、最初はどこに停めればいいのかわからなかった。 一応、少し砂利が敷いてあり、スタンドをかけても沈み込むようなことはなかった。

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自分達がチェックインしたときは、バイクは自分達だけだった。 昨日の雨のこともあるので、今日はもちろんサイドフライを取り付ける。

実はこのキャンプ場には、温泉もジンギスカンを食べられる店もない。 受付のお年寄りに「近くに温泉はないか」と尋ねたら、「5km行くと洞爺湖温泉がある」と言われたくらいだ。
一応シャワーはあるのだが、普通はキャンプをしに来ているのだし、バーベキューは自分達でするのだろう。

これでは自分が出した条件に合致していないのだが、キャンプ場の1kmくらい手前に日帰り入浴施設がある。
まだ15時を過ぎたばかりだが、昨日風呂に入っていないので早くサッパリしたい。 とりあえず、その入浴施設に行ってみることにした。 湖畔を走る道道578線沿いに歩いていけば、それほど時間は掛からない。

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洞爺月浦温泉 ポロモイ というところだが、ここがなかなか良かった。 お湯(100%かけ流し)もいいし、特に洞爺湖が見渡せる露天風呂が最高だった。
1Fには焼肉レストランがあるし、2Fに軽食を食べるところもある。 汗を流したあといったん上がって、レストランの開店(17時)まで生ビールを飲みながら待つ。 Hは「昼にゆで卵を3つも喰うんじゃなかった」と後悔していた。

ここでHに「もし明日のホテルの予約が取れるなら、函館に泊まってもいい」と告げる(我ながらなんて高飛車)。 Hが携帯で確認したところ、空きはあるということだったので予約してもらった。

そうなれば、明日の函館入りはある程度遅くなっても良いことになる。
洞爺湖から行ける範囲でどこに行きたいかと問うと、三笠市の三笠鉄道記念館、小樽市手宮の小樽市総合博物館、札幌の北海道開拓記念館の3つだという。

三笠が一番遠いが、雨が降ったときのことを考えると屋内展示が充実しているのでいいかもしれないというので、明日は三笠に行くことにした。


明日の予定も決まったし、あとは飲んで食って寝るだけだ。 焼肉レストランで生ビールに焼肉とジンギスカンをしこたま食べ、仕上げにまた温泉に入るという贅沢をした。

今だから言うが、実はポロモイの存在を知っていてグリーンステイ洞爺湖に来た訳ではない。 偶然、キャンプ場に手前にあったのを見つけただけで、我々は非常に幸運だったのだ。

19:30 キャンプ場に戻ると、バイカーが二組増えていた。 焼酎に青森で買ったさきいかなどを肴にまた飲み直し。 幸い、雨は最後まで降ってこなかった。

寝る前に烏龍茶を買いに、自販機のある受付の方までブラブラ散歩にいった。 大学生らしき団体がいくつか来ているようで、男子も女子も気になる相手とお近づきになろうと頑張っていた。 若いっていいね。


本日の走行距離 199km
Google Earth用KMZファイル(函館~洞爺湖) → 20110815.kmz

5日目に続く。