3つのシナリオを巡る9つの問題

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「脱原発」「原発維持」、あなたはどちらを選びますか:日経ビジネスオンライン

電力会社は声を大にして、こう言いたいのではないだろうか。「誰が電力の安定供給に責任を持つのか」。確かに福島原発事故以前、我々が日本の電力システムが抱える大問題にさしたる関心も払わずに来られたのは、既存の電力会社が地域独占体制、総括原価方式の下で豊富な電力を安定供給してきたからだ。(中略)
 
むしろ消費者や企業が自由に電力会社を選べる市場を作り上げれば、1つの電力会社が停電を起こしてもほかの電力会社から電気を調達できるようになる。これを成し遂げない限り、福島原発事故の教訓を踏まえた電力システムの再構築は失敗に終わるだろう。

その通り。 発送電分離というのは、取りも直さず現在の一般電気事業者を「One of them」とすべきでしょう。

結局はこの問題に尽きると思います。

(9)原子力の「国策民営」をどう変えるか
 
政府は日本の原発が抱えてきた「国策民営」という本質的な問題に切り込む必要がある。ひとたび福島原発事故のようなテールリスクが現実になってしまった以上、民間企業である電力会社には事故処理と被災者への賠償という膨大な負担を背負いきれないという責任能力の限界が明らかになった。さらには、使用済み核燃料を未来永劫、地中で安全に処分・管理するという、途方もなく遠大な事業を、設立後数十年の民間企業群に委ねる体制のままでは、政府は無責任のそしりを免れない。(中略)
 
しかし、今回の議論でもほとんど手つかずのままになっている廃炉、使用済み核燃料の処分、重大事故に備えた保険制度の再設計など、原発の出口政策を巡って政府が担うべき課題は山積している。それらに眼を瞑ったままでは、日本は永遠に原発事故のリスクから逃れられない。

電力10社は声を揃えて「原発が必要だ」というけれど、「じゃあ政府は手を引きますから、そんなにやりたければ民間でやってください。もちろん使用済み核燃料の処分も含めて」と言ったら「それでもやる」と言うんでしょうかね?