福島原発を減損処理すれば東電は債務超過

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

電力料金値上げは妥当か?:日経ビジネスオンライン

福島第1原発の5、6号機と福島第2原発1~4号機が料金認可申請期間中に稼働する可能性は極めて低く、レートベースの基礎となる資産計上額をゼロとした東電の自主判断は妥当で、そうであれば、事業報酬をゼロとしたことに平仄を合わせ、料金算定における減価償却費の計上額もゼロにすべきだと消費者庁の検討チームは主張してきた。また、福島第1原発1~4号機の安定化維持費用、賠償対応費用についても原価に算入すべきではないと主張してきた。
 
だが、これらの費目は原価算入することで最終決着した。賠償、原子炉廃止措置、電力安定供給の確保という諸要請を同時達成させる枠組みに支障を来す恐れがあるとの理由からで、そのロジックは以下のようなものだと考えられる。
 
福島第1原発の5、6号機と福島第2原発1~4号機について、稼働していない原発の減価償却費を受益の観点から料金原価に算入しないという消費者庁検討チームの主張を受け入れてしまえば、少なくとも原価計算期間中は福島第1原発の5、6号機と福島第2原発1~4号機からはキャッシュインフローをもたらされないことになる。つまり、事業者として正式に「廃炉」を決定しなくても減損処理を検討せざるを得なくなり、多額の減損損失を計上することになってしまう。そうなれば東電のバランスシートは債務超過に陥り、今までの支援スキームは根底から覆されてしまう。

もはや二度と稼働する見込みのない福島第1、第2原発すら処理できないのですから、他の原発も全て廃炉にするなんて言えないでしょうね。

原発反対派の人達は、単に「電力供給は足りている」とか言うのではなしに、電力会社の経営をどうするかを議論しないとダメでしょう。