世界遺産登録の舞台裏

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風知草:逆転の達人=山田孝男- 毎日jp(毎日新聞)

週末、帰国した近藤に逆転の極意を聞いた。
 
「ハードライナー(=三保松原に対する強硬な反対論者)には、いきなり富士山の話はしない。遺産保存と委員会運営の大所高所論から入り、別れ際にこう聞きました。『一つ教えてほしい。もし誰かが、三保松原も加えようと提案した場合、反対するか、見逃してくれるか。あなたが反対するなら日本は退く』と。すると、半日以上たって『分かった。目をつぶるから行け』となった……」
 
「要は、対立する国々とハラを割って話せる関係をつくれるかどうかです。シンパをつなぎ留め、中間派を引き寄せ、反対勢力をニュートラルへ導く」
 
駆け引きの本質は万国共通だが、ことばと文化の壁を乗り越えなければならない。あいまいな物言いで対立を避ける日本語的思考に縛られず、時に意思を明示し、理詰めで渡り合う。政治といわず、スポーツといわず、国際舞台での交渉力が問われている折、学ぶべき実践例だろう。

本当の意味での「外交」とは、こういうことを言うのでしょう。
単にテクニックだけの話ではないですね。