ホンダ、北米の減益要因は一過性

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
  • ハッシュタグ:

ホンダ、北米減益を招いた2つの逆風 :記者の目 :企業 :マーケット :日本経済新聞

ホンダが7月31日に発表した2013年4~6月期の連結決算(米国会計基準)は、円安に翻弄(ほんろう)され、ぱっと見では評価が難しい代物だった。営業利益は829億円もの円安効果で5%増の1849億円。一方、純利益は円安で為替差損が339億円発生し7%減の1224億円だったからだ。そこで為替影響を排除してみると営業利益は4割も減る。実態に目をこらし浮かび上がったのは、好況に沸く北米市場の減益というやや意外な事実だ。

なかなか興味深いお話です。

円安で景気がいいように見えますが、まだまだ病み上がりで健康体には遠いです。

原因は大きく2つ。生産の移管に伴う一部機会損失の発生と、インセンティブ(販売奨励金)の増加だ。機会損失の発生は高級車ブランド「アキュラ」の主力SUV(多目的スポーツ車)「MDX」で起きた。フルモデルチェンジを機に生産をカナダから米アラバマ州の工場に移管。一時的な生産落ち込みは覚悟していたが、立ち上げに想定より時間がかかり、思っていたほど新車が作れなかった。需要は大いにあっただけに惜しい機会損失だ。好況米国だけあって北米での新車販売台数は45万9000台と2%増えたが、高価格帯でセダンより利益率がいい「MDX」が減り「アコード」や「シビック」などが増えた車種構成の変化が減益要因になった。
 
もう一つがインセンティブ費用の増加。じつはよく見ると4~6月期の販売現場でのインセンティブは前年同期より減っている。つまり去年より値引きをせずに売れているわけで、本来なら増益要因のはずだ。しかし会計上のからくりで直前四半期の1~3月、つまり通期決算の年度末にどれだけインセンティブ費用の引き当てをしたかによって、その引当金の戻し入れ損益が発生する4~6月期は会計上のインセンティブ計上額が実態と異なってしまうことがある。今回がまさにそのケース。戻し入れの差で会計上のインセンティブ費用が前年同期より増えてしまった。
 
この2つの減益要因はほぼ一過性と判断できそうだ。「MDX」の生産ペースは足元では改善、新車の供給は増えてきている。またインセンティブ費用も7~9月期以降は実態に即した計上額が予想される。7~9月期以降の北米事業の営業利益は好転する可能性が高い。
 
1日のホンダ株は「自動車メーカーの中での相対的な見栄えの悪さ」(外資系証券)が嫌われ前日比1%下げてしまった。しかし4~6月期には北米や国内で一過性の減益要因が集中したこと、また9月の新型フィット投入など下期に新車攻勢をかけることから、会社側は「7~9月期、10~12月期、来年1~3月期と尻上がりに業績は改善していく」(ホンダ幹部)と自信を見せる。

円安のゲタがあるうちに、悪いニュースは全部出しておこうということかもしれません。

7月のホンダ米国新車販売、20.9%増…シビックが13年ぶりの新記録 (レスポンス) - Yahoo!ニュース

ホンダブランドの乗用車系では、2012年9月に発売した新型『アコード』が、3万1507台を販売。前年同月比は10%増と、3か月連続の前年実績超え。『シビック』も大幅改良を受けた2013年モデルが3万2416台を売り上げ、7月としては13年ぶりに販売記録を更新。前年同月比は29.6%増と、2か月連続のプラスとなった。
 
ライトトラック(SUV/ピックアップトラック/ミニバン)系では、主力車種の『CR‐V』が、7月としては過去最高の2万7226台を販売。前年同月比は32.5%増と、4か月連続で前年実績を上回った。日本仕様とは異なる北米専用ミニバンの『オデッセイ』も、1万3261台を販売。前年同月比は10.9%増と、4か月連続の前年実績超え。中型SUVの『パイロット』も、32.5%増の1万2932台と、好調が持続する。
 
アキュラブランドでは、主力セダンの『TL』が前年同月比21.8%減の1843台と、4か月連続の前年実績割れ。『TSX』は15.2%減の1680台と、13か月連続のマイナスだ。SUVでは、新型を発売した『RDX』が47.7%増の3936台と7月の月販記録を更新。モデルチェンジした『MDX』は29.5%増の5551台と、7か月ぶりに回復。7月としては過去最高で、アキュラブランドの最量販車に。また、3月に発売したホンダ『レジェンド』後継車の『RLX』は、7月は前年実績の15倍の617台を登録。

確かに北米はもう大丈夫そうですね。
でも北米だけでなく、国内も登録車販売が大幅に落ち込んでいます。

ホンダ岩村副社長、国内82万台「やっていける自信を持っている」 | レスポンス

ホンダが7月31日、2014年3月期第1四半期決算を発表した。それによると、国内の販売台数が軽自動車の好調にも関わらず、14万台と前年同期に比べて4万5000台減と24.3%も落ち込んだ。
 
同社は今期の目標台数を前年より19.2%増の82万5000台に設定している。第1四半期の数字を見る限り、非常に難しいといわざるを得ない。果たして達成できるのだろうか。
 
それに対し、岩村哲夫副社長は「これから販売する予定の新型車に相当期待している。新型フィットをはじめ、新型ミニバン、スモールSUVを発売し、軽自動車も1シリーズ追加する。そして、6月に発表した新型アコード。この5車種で目標の台数は十分にやっていけると自信を持っている」と強調した。

下期は休日振替の出勤や、休日買い上げでフル生産になるんでしょうね。