原発処理を片付けなければ、他になにもやってはいけないのか?

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五輪で電波浴: やまもといちろうBLOG(ブログ)

で、これのどこが"under control"なんだという話なわけですが、首相自らが外遊中に「事態は悪化の一途でござる」とか言ったらそれこそ終わるんで、今度こそまじめに出口戦略を考えてね、ということは今回の東京五輪の宿題だと個人的には考えております。
 
それは、場合によっては福島の海側地域に対する公的な復興支援の早期打ち切りも意味するかもしれない。東京電力の処理もあるでしょうしね。いままで、大変だし助けようと綺麗事で埋め尽くしてきた復興事業や税金投入も、福島が復旧したところで国民に利益はもたらされないと正気に返ったような損得勘定を考えることだって、可能性としてはあるのでしょう。福島第一原発処理は永年的に手がけることになるでしょうが、段階的な脱原発も進まず、処理もできず、復興もなければ福島はお荷物のままではどうしようもありませんので、どこか何かを諦めなければならない。それが政治だってことで。
 
いずれにせよ、現在発表されている汚染水の工程表が思惑通りにいったところで、放射性物質の流出自体はゼロにはならんわけです。福島に人が帰ってくることもなければ、事故前の社会に戻ることもないのでしょう。そういう解決しない問題を巡って、いつまで偽善は続けられるのか、リターンの乏しい事業に税金を突っ込み続けるのか、という議論はそろそろ出てくるんじゃないでしょうか。それこそ、陰謀論なのかもしれませんが。
「必要とされた緊急対応は、一通りの成果を挙げた」とか丁寧に表面を取り繕って言ってさ。

「被災地(福島)はまだ大変なのになんで五輪なんだ」という主張も分からなくもないんですが、じゃあ40年以上かかると云われる福島第一原発の廃炉までずっと自粛してろ、つらい思いをしている人がいるんだから楽しんじゃダメというのも違うよね、と思います。

原発処理・汚染水問題も大事だし、日本経済の浮上も大事。 外交・安全保障も大事。 スポーツも大事なんです。
どれか一つだけ再優先でやって、他は放ったらかしにする訳にはいきません。

除染に関しては、やっても住民の大半が戻ってくる見込みがないのなら、その費用を別のことに回したほうがいいという考え方もあるのでしょう。 放射性崩壊により、文字通り時間が解決してくれるのを待つわけですね。

成田なんかをみても、土地に関する問題というのは合理性だけでは解決しないので難しいです。