フィンランド国民、ノキア「売国奴」エロップに怒る

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「150年企業」ノキアが描く復活シナリオ:日経ビジネスオンライン

フィンランドの国民が、ノキアの前CEO(最高経営責任者)のスティーブン・エロップ氏に怒っている。
 
ノキアは9月3日、かつて世界最大規模を誇った携帯電話事業を米マイクロソフトに54億4000万ユーロ(約7190億円)で売却することを発表した。それに伴い、エロップ氏は携帯電話事業の部門長に“降格”したのだが、売却後はマイクロソフトに幹部として招き入れられ、しかも、退任予定のスティーブ・バルマーCEOの後継者になると目されている。
 
さらに、マイクロソフトへの事業売却が完了した際には、1880万ユーロ(約25億円)もの“退職金”を受け取る契約になっており、その70%をマイクロソフトが負担するという。ノキアの携帯電話事業を再建できなかったにもかかわらず、古巣のマイクロソフトからこれほどの厚遇を受けることを聞けば、「エロップ氏はノキアCEOとして、本当にノキアのために経営してきたのか」との疑いの目を向けたくなる気持ちもわかる。

自分は政治家も経営者も「顔」で判断するのですが、エロップは「うんこ」ですね。 せいぜい部長どまりでCEOっていう顔じゃありません。

エロップの「功績」がどんなものだったかというと、

エロップ氏がCEOに就任した当時、まだノキアは市場でそれなりの存在感を示していた。米調査会社ガートナーによると、2010年第2四半期の携帯電話の市場シェアは、ノキアが34.2%でトップに立ち、2位のサムスン電子(20.1%)や7位のアップル(2.7%)を大きく引き離していた。スマートフォンの基本ソフト(OS)別でも、ノキアの「シンビアン」が41.2%だったのに対し、カナダのRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー」が18.2%、米グーグルの「アンドロイド」が17.2%、米アップルの「iOS」は14.2%だった。シェアだけを見れば、戦略次第ではノキアの携帯電話事業は復活の可能性があるように見えた。
 
だが、直近の2013年第2四半期では、ノキアの凋落ぶりがはっきりと分かる。携帯電話のシェアではサムスンが24.7%で首位、ノキアは大きく遅れて14%の2位に後退。アップルは3位で7.3%だ。さらに、スマホに限ったシェアでは、サムスンが31.7%と他社を圧倒し、アップルが14.2%でそれに続く。ノキアはトップ5にも入っていない。
 
このシェアの変化が示すものは、3年間で携帯電話市場の主戦場が、ノキアが得意としてきた従来型の携帯電話ではなく、スマホに完全に移ったという事実だ。ノキアはそのトレンドに最後まで乗れず、その間に時価総額は約6割減り、金額にして約220億ドル(約2兆2000億円、2013年8月末時点)を失って、結局、スマホ事業部を売却せざるを得なくなった。

文字通り破壊的な実績ですね。

エロップ氏が当時、急速に勢いを増していたグーグルのアンドロイドを採用せずに、他社との差別化を理由にウィンドウズフォンを採用したことは、大きな戦略ミスだったと指摘する声も多い。現在、スマホのOSのシェアは、アンドロイドが79%で、iOSが14.2%。一方、ウィンドウズフォンは3.3%に過ぎない。
 
だが、仮にノキアがアンドロイドを採用していても、厳しい状況には変わりはなかったとの見方もある。アンドロイドは、最大手サムスンだけではなく、中国の格安スマホにも採用されており、アンドロイドを搭載したスマホ同士で激しい価格競争を繰り広げている。エロップ氏が予見した通り、アンドロイドを採用すれば差別化がさらに難しくなるという事態が、現実に起きている。

いま生き残っているスマホメーカーは、Androidを採用していても個性的な端末をリリースしていますよ。
そして個性的な端末を出すことにかけては、ノキアほど実績のあるメーカーはありません。

まあ残念ではありますが、死んだ子の歳を数えても仕方ありません。