日産「凋落」は「パワー88」が原因?

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日産自、「ゴーン流」の神通力は消えたのか :記者の目 :企業 :マーケット :日本経済新聞

して会見中何回も繰り返したのが、「『パワー88』が正しい計画であり、達成に向け集中する」という言葉。「パワー88」とは16年度までに世界シェア8%を目指す、日産の中期計画を指す。だが、この「パワー88」への固執こそが、実は問題の原因という見方は多い。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「世界シェア8%というコミットメント(必達目標)を重視しすぎるあまり(台数を優先し)利益がついてきていない」と言う。同様の指摘は下方修正後に取材した多くの市場関係者から聞かれた。
 
数字を見てみよう。実際、4~9月期の1台当たり営業利益は売上台数が3%増えるなか、前年同期の12万5983円から11万9374円に低下した。米国でのインセンティブ(販売奨励金)がトヨタ自動車やホンダよりも多いことを併せて考えると、確かに台数増を重視するあまり利益が圧迫されている可能性が高い。ゴールドマン・サックス証券の湯沢康太マネージング・ディレクターも「価格戦略が1台当たり収益を圧迫している」と指摘する。
 
「パワー88」は正確には、「世界シェア8%」と「売上高営業利益率8%」の2つの「8」を目指す計画だったはず。ところが、もう1つの「8」がなおざりになっているのが今の日産。通期予想ベースの今期の売上高営業利益率は4.8%にすぎない。

台数を追おうとすると、一時的に利益率が下がるのは当たり前ではあるんですが、北米でインセンティブを増やしたりするのは将来につながらない悪手だと思いますね。