スバルとマツダ

スバル、成功の後に待つ「崖」  :日本経済新聞

話が少しそれますが、プレミアム路線と言えばスバルと同程度の売り上げ規模であるマツダの近年のクルマづくりが、大衆車市場から距離を取ったプレミアムに近いセグメントに接近し始めているのは興味深い動きです。走りとデザインを極め、製品競争力を高め、正価販売を促進し、ブランド価値と収益性向上を目指すとしています。この戦略はスバルと相似するのですが、マツダの場合、販売価格が目標化してきていることにリスクを感じます。価格は市場が決めるもの。メーカーが望むことは容易ではありません。ブランド価値を高める製品力は必要ですが、大衆ブランドである限り、コスト管理は必須です。「価格-利益=コスト」の等式は自動車メーカーが忘れてはならないものです。「コスト+利益=価格」に向かうことは危険ではないでしょうか。

ちゃんと成長の種を仕込んでなければ、「風」が吹いてもそれを自分の「追い風」には出来ないのですが、マツダも富士重も上手く戦略が当たったと思います。

富士重に関しては、北米でのクリームスキミングがいつまで可能かなと思いますね。 カムリとレガシィ、カローラとインプレッサ、RAV4とフォレスターの競合が激しくなると、トヨタがいつまでも自由にはさせないんじゃないでしょうか。
販売台数が増えてくると、ZEV法の適用対象になってくるでしょうし。

マツダについてはこれまで「逆張り」したプロダクトアウト型商品で上手くいってますが、「じゃあ新型デミオで高速をロングドライブをする人がどれだけいるの?」とか「ダウンサイザーを取り込むには新型デミオは狭くない?」とか、心配な点も多々あります。

クルマそのものじゃなくて企業(ブランド)イメージを訴求するCMをたくさん打ってますが、デザインも含めたアイデンティティの統一は飽きられたら一気に陳腐化し易いので、新鮮さを維持するのが大変です。

今はクリーンディーゼルの珍しさで売れてますが、需要が一巡して落ち着くのかまだまだ拡大するのか読めません。 ハイブリッドはここからコストダウンの余地がまだまだありますが、ディーゼルはそんなに下げられないでしょうし。

ただ両社が、トヨタ、日産、ホンダが慌てるようないいクルマを出してくれることで、日本の自動車市場は活性化しますし、メーカーの競争力もアップすると思います。
あれ? そういえば三菱自は?