日本も「民主カード」を切るべきか

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民主的な香港を守るために、日本に出来ることは何かあるのだろうか(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

中国からの圧力に揺れる台湾では、この香港での中南海の動きを「香港は明日の台湾ではなく、今日の台湾だ」という論調で危機感を持って伝えられ、中国がある種のご都合主義で続けてきた「一国二制度」が習近平体制において名実ともに大国となる中国の赫々たる野心の前に修正を余儀なくされつつあるといえましょう。
 
かくいう我が国日本も、かねてから日中関係の悪化前後から「歴史カード」なるもので普遍的な歴史認識を日本が欠き、戦後賠償その他でいまなお責めを負っています。(中略)
 
そうであるがゆえに、日本としては戦後国民が一体となって実現してきた民主主義を旗頭に「民主カード」を切ることもまたひとつの手法ではないかと思います。良くも悪くも反原発運動や消費税反対などさまざまな政治的アクションは日本国内でも多数繰り広げられているものの、それは民主的な手続きにのっとり国民の権利として認められているのが日本です。
 
現在の政治体制において、不当な扱いを強いられたり、民主的な手続きを行うことの出来ない国民が政治参加の方法としてデモを打つことが容認される社会は人道的に望ましいと言えます。過去の歴史における残虐行為をカードとして使われている日本にとって、現在の独裁的な政治体制によって抑圧される市民を民主的に解放する意見を表明することは理に適った外交ではないかと思うのです。

米国はよく「人権」を外交に持ち出す訳ですが、それと似たようなことをチクチクと言い募るということでしょうか。

確かにそれをやられるのは、中国としては非常にイヤでしょうね。 「内政干渉だ」と反発するでしょう。

香港の民主派デモめぐり米中が応酬、オバマ大統領も情勢注視 | Reuters

王外相はケリー米国務長官との会談に先立ち「(中国政府は)非常に公式かつ明確に立場を表明している。香港の問題は中国国内の問題だ。すべての国が中国の主権を尊重すべきだ」と発言。米国を含むすべての国は「治安を乱す不正行為」を容認すべきではないとし、「香港特別行政区政府には、法に従って事態に適切に対処する力があると信じている」と述べた。
 
一方、オバマ米大統領は王外相に対し、米政府は香港民主派デモの状況を注視しており、平和的な対応を期待すると述べた。大統領は11月に中国を訪問することも確認した。
 
ケリー国務長官は「香港当局が自制し、デモ隊の表現の自由を尊重することを強く期待する」と指摘。「われわれは、最大限の自治や法治による開かれた社会は香港の安定と繁栄に不可欠だと信じている」と述べた。

ただ香港や台湾について、日本が日中国交正常化での立場を変更しようとした場合、中国は尖閣の比ではない激烈かつ非可逆的な反応を示しそうな気がします。
その覚悟があっての「民主カード」ならいいのですが、「ちょっと嫌味を言ってやれ」というくらいの気持ちだったらやめた方が無難ですね。