ホンダ国内生産、3年ぶりのマイナスへ

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ホンダ国内生産、計画比15%減に 販売不振  :日本経済新聞

ホンダの2014年度の国内自動車生産が90万台程度と、当初見通しを約15%下回りそうだ。消費増税後の消費低迷や新型車の発売を遅らせている影響で国内の販売が伸びず、今秋に続いて15年1~3月も減産する。14年度の国内生産は13年度比で3%減と、3年ぶりのマイナスになる見込みだ。
 
15年1~3月に鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)と埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で土曜日の操業を一部休止する。軽自動車を生産する鈴鹿製作所では1日の生産台数をこれまでの予定より2割少ない約1600台に抑える。土曜日の生産も計6日間取りやめる。
 
ミニバンやセダンを生産する狭山工場でも1月の土曜日に2回、生産を止める。減産台数は2000台強。両工場の生産台数は予定より計4万台程度減るもようだ。
 
ホンダは当初、14年度の国内販売計画(小売りベース)を前年度比25%増の103万台としていた。

少ないとはいえまだ輸出も4%くらいあるらしいので、国内生産が90万台ということは国内販売は87万台くらい? 当初の103万台からずいぶんと後退しましたね。

これまでの経緯を振り返ってみます。 まずは1年前の12/16。

ホンダ峯川専務、フィットHVの年度内納車は無理 | レスポンス

峯川専務は同日東京で、2014年度の税制変更に関連した報道陣の質問に答えた。現在、フィットは寄居工場(埼玉県寄居町)で月産2万台を上回るフル生産を続けているものの、受注が集中するHVについてはこれから注文しても、納車が14年度にずれ込むことになった。このため、消費税率引き上げ後の納車となる。
 
一方、峯川専務は消費税引き上げに伴う駆け込み需要の動向については、「(全般的に)高水準の受注を頂いているので、顕在化しているのか、明確にはつかめない」と話した。駆け込み需要が埋没するほどの受注好調で、嬉しい悲鳴といったところだ。

この頃は景気が良かったですね。 しかしその直後にフィットHVのリコール。

【リコール】ホンダ フィットHV、自動変速機制御コンピュータに不具合 | レスポンス

ホンダは12月20日、『フィット ハイブリッド』の自動変速機制御コンピュータに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
 
対象となるのは、『フィット ハイブリッド』1車種で、2013年7月17日~12月3日に製造された3万6100台。

それでもまだこの段階ではそれほど話題にはなっていませんでした。
続いて年明けの賀詞交換会(1/7)。

ホンダ峯川専務「14年の国内市場は大きく落ちない」 | レスポンス

ホンダの日本営業を担当する峯川尚専務執行役員は、2014年暦年の国内4輪新車市場について「13年実績から大きく落ち込まず、500万台レベルにはいくのではないか」との見通しを示した。
 
1月7日に都内のホテル開かれた自動車業界の賀詞交歓会の席で語った。14年の新車需要は、4月の消費税率引き上げという波乱要因があり3月までは駆け込み需要、その後は反動減が必至となる。峯川専務は、4月以降の反動減は「調整の幅がそう大きくならないのではないか」と見ており、年間需要も比較的堅調と予測している。
 
峯川専務は、「国内景気の回復傾向が消費マインドの改善につながっているし、各社の商品強化策も寄与する」とし、反動減が軽微になるとの見方を示した。年明けのホンダディーラーでは、消費税引き上げ前の年度内納車を希望する商談だけでなく「今年度内の納車が無理と納得されているお客様の商談が少なくない」という。

強気ですねー。 そして2013年第三四半期決算の発表(1/31)では、「100万台」という言葉が。

ホンダ岩村副社長、14年国内四輪車販売「100万台レベルはやっていきたい」 | レスポンス

ホンダの岩村哲夫副社長は1月31日に都内にある本社で開いた決算会見後、報道陣の囲み取材に応じ、2014年の国内四輪車販売について「100万台レベルくらいはやっていきたいと思っている」との見通しを示した。
 
岩村副社長は「消費増税の関係もあるし、また同時に(自動車税増税前の)軽の駆け込み需要など、いろんな話がでてくると思うが、今の段階でいうと半期でのペースとしては(年間で)100万台に近づいているなという感じはしないでもない」と述べた。
 
ホンダの13年の国内四輪車販売実績は前年比2.4%増の76万3000台だった。14年の販売見通しは対前年で30%超の伸びを見込むとともに、これまでで過去最高の02年実績の90万2658台を大きく塗り替えることになる。

でもフィットHVの3度目のリコール(2/10)あたりから雲行きが怪しくなってきます。

【リコール】ホンダ フィットHV など8万台、7速DCT制御プログラムに不具合…対策完了まで出荷停止 | レスポンス

ホンダは2月10日、『フィット ハイブリッド』などの7速DCT型自動変速機に不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
 
対象となるのはホンダ『フィット ハイブリッド』『ヴェゼル ハイブリッド』の2車種で、2013年7月17日~2014年2月6日に製造された8万1353台。

それでも2013年度決算の発表の場(4/25)で、ついに国内販売目標103万台を表明。

ホンダ、今年度の国内販売で初の100万台超えを狙う | レスポンス

ホンダの岩村哲夫副社長は4月25日に行った2014年3月期連結決算の会見で、国内販売について、100万台超えを狙うと明言した。
 
「15年4月の軽自動車税増税前の駆け込み需要もあって、今年度の国内市場全体では520万台近くになるのではないかと思う。その中でホンダは103万台という数字にチャレンジしたい」
 
かつてホンダは福井威夫社長時代の03年に国内販売100万台の目標を掲げたことがあった。しかし、トヨタ自動車などの攻勢にあって、前年を割り込む状況に陥り、いつの間にか100万台は立ち消えになってしまった。
 
今回、再び100万台を狙おうというわけだが、岩村副社長はその達成に自信を見せる。というのも、軽自動車が新型車を出すたびにヒットするというように絶好調だからだ。そのおかげで、13年度の国内販売は84万4000台と前年度比18%以上も増えているのだ。
 
「現時点で受注は90%弱の水準まで回復している。3月末の受注残も結構いただいている。当社としては増税の影響はあるものの軽微である」と岩村副社長は話し、好調さが持続すると見ている。
 
そのうえ、今年度は過去最多となる6車種の新型車を投入する予定で、うち3車種は日本で人気の高いハイブリッド車だ。気になるのは「フィット」と「ヴェゼル」のリコール問題だが、キャンセルが少なく、受注が引き続き好調とのことで、今回は念願の100万台を達成できるかもしれない。

当然ですが、この時点では新型車6車種が計画通りのスケジュールで発売され、販売増に寄与する予定でした。
そこへ冷水をかける4度目のリコール発表(7/10)。

ホンダ「迅速に対応進める」…フィットHV 4度目のリコールで | レスポンス

ホンダは7月10日に国土交通省に『フィット』と『ヴェゼル』のハイブリット車(HV)を対象にしたリコールを届け出た。国内向けに販売した17万5356台が対象で、エンジン制御コンピュータのプログラムを書き換える措置を行う。
 
フィットHVは2013年9月の発売から4度目のリコールとなるため、ホンダ広報部は同日、都内で報道関係者向けの説明会を開いた。過去3回はDCT(デュアルクラッチトランスミッション)に関する不具合だったが、今回はエンジン制御のプログラムに関するものとなった。

この頃には既にホンダの品質管理を疑う記事が数多く出始めてました。
それでも2014年第一四半期決算(7/29)でもまだ強気な姿勢は崩していません。

ホンダ、4~6月期の販売台数は伸び鈍い | 自動車 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

日本は軽自動車が好調を持続していることに加え、昨年、主力車種の「フィット」をフルモデルチェンジ、また小型SUVの新型車「ヴェゼル」を投入したことが寄与、前期が補助金切れにより大幅に落ち込んでいたこともあり販売台数は20.2万台と前年同期比44.3%の大幅増となった。先行きについて岩村哲夫副社長は「(消費増税の影響で)受注状況は4月は前年同月比80%だったが6月は98%に回復、夏休み明けには前年並みになるとみている」と自信のほどを示した。

しかし裏では稼動日振替で生産調整(10/2)をしていました。

そしてフィットHVでは5度目となるリコール(10/23)。

【リコール】ホンダ フィット など42万台、エンジン停止のおそれ…HVは5度目 | レスポンス

ホンダは10月23日、『フィット』などの点火コイルおよび電源供給回路に不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
 
対象となるのは、『フィット』(HVおよびガソリン車)『N-WGN』『N-WGNカスタム』『ヴェゼル』の4車種で、2013年6月28日~2014年10月17日に製造された計42万5825台。

ついに上半期決算の場(10/28)で国内販売計画を下方修正。

ホンダ岩村副社長「ニューモデルの遅れが影響」…国内販売は93万台に下方修正 | レスポンス

ホンダは10月28日の決算発表で、2014年度に103万台(前年度比22%増)としていた4輪車の国内販売計画を、93万台(10%増)に下方修正したと明らかにした。
 
会見した岩村哲夫副社長は、下方修正の主因について、「リコールに伴う品質の総点検でニューモデルの投入が遅れたこと」と、指摘した。モデルによっては発売時期が「6か月くらいの遅れになった」という。

という流れで、冒頭の減産記事につながる訳ですが、12/22の峯川専務の発言ではまだ希望を捨てていないようです。

ホンダ峯川専務「国内市場は年明け以降回復へ」 | レスポンス

ホンダの国内営業を担当する峯川尚専務執行役員は12月22日に行われた新型車の記者会見で、新車需要動向について「日本では第4四半期が最大の需要期であり、年明け以降順調に回復するだろう」との見通しを示した。
 
峯川専務は消費税率引き上げ後の市場について「第3四半期(10-12月)には回復を見込んでいたが、逆の動きになっている」と、想定外に反動減が続いているとの認識を示した。

個人的な感想ですが、おそらく全部上手くいったら国内販売103万台は実現可能だったのでしょうね。
アベノミクスで景気が上向き、消費税率アップの反動も軽微ですぐに回復して、ニューモデルも計画通りに出せて、それが計画通りに売れて... という希望的観測に基づいた目標だったのだと思います。

でもそんなに「自分がやることなすこと全て上手くいく」ことを前提に企業の目標って立てるものですかね? どんな全能感なんだ? 普通は9割くらいに目標を置いて、±10%くらいの振れ幅で対応出来るようにするもんじゃないの?

挙句の果てに、小刻みに後退した目標を立ててはまた下方修正する悪循環です。 何だかルノーの子会社になる前の日産を思い起こす状況ですね。
ホンダにとって2014年は忘れてしまいたいような年だったかもしれませんが、なんでこんなことになったのかという教訓は忘れずに新年を迎えてほしいものです。