ヴェゼルの弱点は乗り心地

【ホンダ ヴェゼルハイブリッド 1700km 試乗後編】優位性を感じられる走りの素性と、一体感に欠ける乗り心地…井元康一郎 | レスポンス

ヴェゼルのショックアブゾーバーはザックス製の「振幅感応ダンパー」というスペックの高いものがおごられているという。ホイールの上下幅が小さいときには柔らかく、ロールのような大きな振れ幅のときには固いという2つの特性を持たせることでスポーティな乗り味と良好な乗り心地を両立させるというのが謳い文句だったが、この種の非線形特性を持つショックアブゾーバーはチューニングの煮詰めが甘いと良さを発揮できない。こと、試乗したZグレードの乗り味はまるでテストコースで走り味を煮詰める前のプロトタイプのような悪さだった。
 
クルマのインフォメーションの伝わり方も良くない。たとえばワインディングロードでは、これくらいの半径のコーナーなら横Gはどのくらいかかり、ロール角はこのくらいか、といった予測をしながら運転するものだが、その予測と体感されるクルマの動きが常にズレている印象。ドライビングプレジャーの中核要素である、クルマとドライバーの一体感は著しく低いと言わざるを得ない。
 
乗り心地の悪さとインフォメーションの伝わり方のまずさが相まって、群馬~長野間の十石峠、八ヶ岳近くの麦草峠など、いくつもの峠越えを行ったゴールデンウィークの試乗時は、腰痛を発症してしまったほど。たかが1000km程度のドライブで腰痛になったのは初体験だった。この乗り味の悪さは現在も解消していない。ホンダのある有力ディーラーの幹部は「ヴェゼルとオデッセイは固い、柔らかい以前にしなやかさがない。それでかなりのお客様を逃した」とこぼしていた。本田技術研究所のエンジニアは独りよがりのチューニングをするのではなく、本当にいいものとは何かということを良く考えて(頭で勝手にイメージするのではなく)クルマの走りを仕上げるようにすべきだろう。

オデッセイはランニングチェンジでダンパーの仕様を変えたようですが、ヴェゼルはどうなんでしょうね?

オデッセイの韓国ザックスを調べたら‥‥ | 自動車評論家 国沢光宏

上はオデッセイ・アブソルートのダンパー。『ザックス』とされているものの、韓国工場製である。しかもザックスと全く構造が違う。ザックスにゃこんな溶接方法のダンパー無し。日本で一番ダンパーに詳しいと思われるサンコーワークスの喜多見さんによれば「これは韓国のマンドゥと全く同じ構造です」。

ホンダの実験部隊はマツダの爪の垢でも飲んだほうがいいと思いますが、それより今までショーワに「おんぶに抱っこ」だったところを調達方法をがらっと変えたもので、自分たちでちゃんと評価出来ないのが露呈したんじゃないのかな?