VW不正、4年前に社内から指摘 テスト用ソフトを流用?

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<VW不正>4年前に把握か…社内から指摘 独紙報道 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

同紙によると、技術者が4年前に不正を指摘していたことは今月25日に開かれたVWの監査役会(取締役会に相当)で報告されたという。だが、当時は社内のどのレベルの社員が事実関係を把握していたかや、どのような対応が取られたかは不明だという。
 
独紙ビルトも、ソフトを供給した独自動車部品メーカー大手のボッシュが07年、VWに書簡を送り、ソフトはテスト用に開発したもので市販車に装着しないよう警告していたと伝えた。装着した場合は違法になると明示していたという。

なんでテスト用にそんなソフトが必要なのか疑問ですが、BOSCHは「ウチの責任にされたらたまらん」と思っているのでしょうね。

でもVWのラインでソフトの書き込みをしている(部品の派生数を減らすことができるので、最近はこれが多い)ならともかく、通常はサプライヤーでECUにソフトを書き込んで完成車メーカーに納品する訳で、BOSCHが知らなかったというのは考えにくいのだけどね。

ボッシュ、VW問題に声明「メーカー指定の部品を供給しただけ」 | レスポンス

今回のボッシュの声明では、報道にあった2007年のフォルクスワーゲングループとのやり取りには、触れられていない。
 
ただし、ボッシュは、「部品メーカーは通常、自動車メーカーの指定する仕様に基づいて開発した部品を、自動車メーカーに供給する。その部品を完成車にどのように組み込んで、どのような性能を発揮させるかは、各自動車メーカーの責任の範疇」とコメントしている。

VWが不正を働いているのを知ってて供給していたとしたら、立派に共犯ですよ。

VW不正でディーゼル激震 世界共通の排ガス測定基準が必要だ (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が解説する。
 
「例えばマツダのディーゼル車に使われている次世代技術は、排ガスを後処理で浄化する前の段階から基準をクリアできるほど有害物質の低減に成功していますし、今後さらなるクリーン化も期待できます。そういう点では欧州勢に比べて環境性能のレベルは高いと思います」
 
だが、井元氏は世界的に一般化する「“クリーン”ディーゼル」という表現には疑問を感じると話す。
 
「ディーゼル車はガソリン車に比べて圧倒的に燃費が良く、低速からでも力強く加速できるのが魅力です。しかし、上り坂や渋滞時、気温の変化など様々な走行シチュエーションによって実際の排ガス数値が高まることが多く、ガソリン車よりもクリーンだとは決して言えません」

そういう“クリーン”ディーゼルの「不都合な真実」について、モーター”ジャーナリスト”たちは今までなぜ口を噤んでいたんでしょうね? スポンサー(自動車メーカー)に遠慮して自主規制していたのかな?

フランクフルトショー2015 どうなる?“ VWスキャンダル”の今後 - 日経トレンディネット

従って自動車作りが始まって以来の大スキャンダルになること必至だが、それでも自動車を愛する小沢としてはいくら巨額の利益を上げてるとはいえ、メーカーだけを責める気にはなれない。どちらも背景には今の自動車づくりの非常なる厳しさがあるからだ。魅力的な商品であると同時に安全であり、環境に優しくなければならない。それがいかに大変なのか。しかも気になるのが法律の縛りだ。(中略)
 
比較的現実的な欧州だってそうだ。特にドイツのアウトバーンでは時速150km走行は当たり前だし、要するに自動車の法律にはズレであり穴がある。もちろんだからこそクルマ好きが楽しめた部分もあって、ユーザーはある意味共犯者だったのだ。今後そのズレは間違いなく修正されるだろう。その時、クルマ社会はますます潔癖になる半面、ますます息苦しくなる。小沢は正直それが一番つらい。

自動車メーカーに対してそんな同情は要らんですよ。 課題を解決するのが技術者なんですから。

欧州では「ごまかす」必要すらない、排ガス検査のための小細工は合法 - Bloomberg

自動車メーカーから検査を請け負うドイツの会社、テュエフ・ズートによれば、エアコンを取り除くなどして車の重量を減らし検査結果を調整することを欧州連合(EU)の欧州委員会は認めている。こうした小細工のおかげで、検査の結果とディーゼル車が路上で実際に排出する排ガスの量には開きが生じて拡大したと、欧州委のルシア・カウデ報道官が明らかにした。
 
同報道官は「何も不正をしなくても、ディーゼルエンジン車の路上での窒素酸化物排出量が検査での量よりはるかに多いということは可能だ」と電子メールで指摘した。(中略)
 
欧州で検査を受ける車は「ゴールデンサンプル」と呼ばれ、実際に販売される車とは大きく異なると、テュエフ・ズートの広報担当、ビンセンツォ・ルカ氏が述べた。さまざまな搭載部分を外した後の車は通常、実際に販売される車よりも100-150キロ軽くなるという。
 
「合法的に排ガス量を減らす手段が可能な限り利用される」と同氏は述べた。
重さを軽くするほか、メーカーは検査用の車のために検査時と同じスピードと気温が設定された際に排ガスを少なめに抑える排気システムを設計していると、サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、マックス・ウォーバートン氏が22日のリポートに記述した。

100kg軽いとかなり違うよね。

VW、05~06年に違法ソフト使用決定か 独報道  :日本経済新聞

独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験の不正問題に関し、独DPA通信は28日、VWがディーゼル車の排ガス量を違法に操作するソフトウエアの使用を2005~06年に決めたと報じた。当時のVWは米国事業が低迷しており、排ガス基準を満たし販売を伸ばすため違法ソフトを使うことにしたという。

報道によると、VWのエンジン部門が、米国でコストを抑えながら現地の厳しい排ガス基準を満たす方法を検討した。排ガス浄化装置を設置するとコストがかかりすぎると判断し、試験時だけ排ガス量を少なくする違法ソフトを使うことを決めたという。

その意思決定がどのレベルで行われたのかが焦点ですね。

【土井正己のMove the World】ドイツ、モノづくり文化の危機…VWショックでギリシャ問題再燃も | レスポンス

今年は、GMのイグニッション・キーやタカタのエアバッグの不具合問題などがあった。これらは、何万分の1の確立で起きうる不具合に対して、「会社がその現象を認知していたのか、真剣な対応をしてきたか」ということが問われた問題であった。
 
企業の品質部門では、品質問題が発生するとクレイムの「連続性」や「傾向性」を分析して、不具合が起きる条件を人工的につくり出し「再現」と行う。「再現」は、不具合の発生原因の明確化につながり、その原因を取り除く対策が具体化できる。それが、経営トップに報告され、リコールでの修理となるのである。GMやタカタにおいては、この品質対応での社内プロセスに問題があったのではないかということだった。
 
それに対して、今回の問題は、不具合の発生確立は該当車両において「100%」である。再現率も「100%」であり、GMやタカタとは比較にならない悪質な問題であることがわかる。つまり、VWは「リコール台数1100万台(費用は約8700億円を計上)」などの数字を発表しているが、これは品質問題ではなく、公文書偽造などに相当する刑事犯罪ということだ。米国だけでなく、既に、ドイツ、フランス、イタリア、インド、ブラジル、韓国などが、国家レベルで不正の調査を始めたと述べている。各国政府への対応の仕方を誤れば、販売停止の国が続出する可能性がある。さらに、民事では、世界中のユーザーや株主、NPOによる集団訴訟も、限りなく続くことが想像できる。

どっちが悪質かというのを問うことに意味があるかよく分かりませんが、VWの場合は「故意」「意図的」だったのは確かですね。

起こるべくして起きたVW「排ガス不正」の真相 | The New York Times | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

まさかそんなことがこの会社で起きるなんて…と世界中の消費者も規制当局も当惑している。VWといえばドイツ最大の民間企業。昨年は売上高が2025億ユーロという世界最大の自動車メーカーだ。しかし同社の歴史、文化、そして会社機構を見てみると、なぜ今までこういうことが起こらなかったのかと不思議に思えるかもしれない。
 
「スキャンダルの温床となるような企業統治だった」とデラウェア大学ジョン・L・ワインバーグ企業統治センター所長のチャールズ・M・エルソン教授は言う。「起こるべくして起こった事故なのだ」。

東芝の粉飾決算の例をひくまでもなく、企業体質の問題とすると根が深いですね。

【レポート】ドイツ当局、国内にVWの排ガス不正車が280万台存在することを明かす - Autoblog 日本版

排ガス不正問題に揺れるフォルクスワーゲン(VW)は、試験をパスするためのソフトウェアを搭載していると考えられるディーゼル車が1,100万台も世界各地に存在することを認めたが、各国の政府当局による調査で、この排ガス不正車の所在の内訳が明らかになってきた。ドイツのアレクサンダー・ドブリント連邦運輸相によれば、同国内には280万台にのぼる排ガス不正のVW車があると、ロイターは報じている。そして、アメリカ国内には少なくとも48万2000台があると見られている。

ドイツだけでそれだけあるなら、EURO6対応車だけじゃないよね? そもそも不正が始まった時期からしてEURO5時代ですから。

11年に開発幹部に指摘か=排ガス不正の違法性―VW (時事通信) - Yahoo!ニュース BUSINESS

南ドイツ新聞(電子版)は29日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排ガス浄化機能が規制逃れのために不正操作されていた問題をめぐり、エンジン開発部門の技術者が2011年、当時の部門責任者に対し、こうした行為の違法性を指摘していたと報じた。
 
事実なら幹部が問題を把握しながら放置していたことになり、組織として責任が問われそうだ。
 
この責任者は、現在停職処分となっている、グループ主力乗用車部門「VW」のノイサー開発担当取締役。内部調査に対する技術者の証言で明らかになったもので、ノイサー氏は当時警告を真剣に取り合わなかったという。また、不正をめぐって詐欺容疑で検察の捜査を受けているウィンターコルン前社長は、「VW」部門の社長も6月末まで兼務していた。

告発者自身の身を守るためにも、こういうことは電話とか口頭じゃなくてちゃんとメールや文書としてエビデンスを残しておくべきですね。